2005年05月18日

「秋刀魚の味」

5e0c903b.jpg数日前の「カクテル光線」の話で思い出した。小津安二郎の遺作「秋刀魚の味」だ。旧海軍の駆逐艦艦長で今はどこか製造業の会社の重役をしている主人公・笠智衆がクラス会をやろうと、小料理屋に集まるシーンがある。同級生の1人、中村伸郎が「きょうはナイターがあるからダメだ」と断るものの、結局顔を出すことになる。店にあるテレビでは川崎球場のシーン。ちょうど大洋−巨人の中継で、大洋の桑田が本塁打を打つシーンが出てくる。
まさにその画像はカクテル光線の中の別世界、という感じ。
松竹のビデオが出ていたはず=写真=だが、今も売っているのかしらん。
で、映画の中で一番綺麗に見えた岸田今日子の話はまた、今度。
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2005年05月09日

「真夜中の弥次さん喜多さん」#2

数日経って見事だと思うことがある。
王の宿の中村勘三郎だ。
「夜でもアーサー」と見栄を切る。その姿たるや往年のたけちゃんまんではないが、天下の中村座座元の名跡もものかは、新聞紙のカブトにマント姿。
時代物の見栄と、世話物の所作と。
数日経ってもなお、うまいなあ、とシーンを思い出す次第。
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2005年05月06日

「真夜中の弥次さん喜多さん」

この連休、一つくらいは文化的な作業をしたいと思って、この映画を見に行った。しりあがり寿の漫画が好きだから、という理由。
感心したところいくつか。
まず仕掛けは細やかだった点。
冒頭の米をとぐシーン。従来の概念だったら、日本の朝、という音響であり、視覚である。それが拷問にも見える。その意味は後になって分かる。ことほど左様に仕掛けが至るところに張り巡らせてある。ま、最後まで見て、その仕掛けが全部解決したのか、と言われるとよく分からないとしかいいようがないけど。
2番目。配役の妙に感心した。
小劇場系の俳優の芝居のうまさ、そして歌舞伎のDNAを見せた勘三郎、七之助、そしてジャニーズの芸を見せた長瀬……。
脚本を書く段階で、このキャラクターにはこの人を填め込もう、と、クドカンは頭の中で画像化して文字を書き綴っているのだろう、ということが改めてよく分かった。
最後のシーン、長い砂浜はどこだろうと思ったら、中田島砂丘だった。いい波が立ちそうな感じだったなあ。
合本 真夜中の弥次さん喜多さん
くど監日記 真夜中の弥次さん喜多さん
小説 真夜中の弥次さん喜多さん
小説 真夜中の弥次さん喜多さん
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2005年03月21日

海猿

e972c69b.jpg海上保安庁の潜水士訓練を描いたこの作品。よく作られていると思いますよ。ただ、どうしても、ラブストーリーを絡めないと成り立たないと思うんですかね。本編でストレートに仕事を、そして訓練を、その仕事に打ち込む姿を素直に、エポックを作りながら描けばいいのに。
折角、本編で作った映像が、チープなラブストーリーが絡むことで安物になってしまう。そんな典型的な作品なような気がしますね。
この批判が象徴的に分かってもらえるだろう個所はエンディング。
主人公と命を張って見捨てなかったバディが握手するところでエンディングにしてしまう手もあったろうし、続編を意識するなら、課程の修了式で終えるのもいい。この方がこの映画の基調低音にマッチしているからです。
続編を考えているのでしょうけど、それなら、主人公のチープな恋物語を伏線にしない方がよほどドライな後味になったでしょう。
昨夏、封切りとなって、公開された作品をこの時期に批評するのも変ですけど、DVDで始めてみたんですから仕方がないと思って下さい。
せっかくの丁寧な絵作りを台無しにしてしまうのは簡単、なんですね。
posted by 曲月斎 at 23:49| Comment(6) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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