2006年08月23日

「美のかけはし」

頼朝像

京都国立博物館では今、開館110周年記念として「美のかけはし」という企画展をやっている。

東京、奈良と並んで、国立博物館の歴史を誇る東山七条のこの博物館。何かいつ行っても不思議な感じのする企画をする博物館である。物足りないような、狭いような、それで落ち着くような。企画展をするときに、東京は最近は平成館を遣い、奈良は新館を遣うことが多いけど、京都は昔ながらに本館で特別展をやることが多いからだろうか。

国の一機関から、独立行政法人になってやりくりが大変です、と、展示の後半で繰り返し示されると何か切なくなってしまうような感じがした。

そうすると、宗教絡みの企画展をしておくのが安心なんだろうけど、そればかりでも困るし。
重盛像


この展覧会では教科書で一度は見たことのある作品と称する一群の展示があり、前半は建仁寺蔵の風神雷神図屏風が展観されていたようだが、後半は神護寺蔵の源頼朝、平重盛像が対で出品されていた。何度目かの出会いだと思うけど、写し絵とはいうものの、その末路を考える時に、いつ見てもなるほどと思ってしまう印象がある。頼朝にはどこか武家の頭領としての自信がにじんでいるし、重盛には悲運をたどる一族の憂いが差しているように見えて仕方ない。

それよりも今回の展示でインパクトがあったのは宝誌和尚立像。
ロラン・バルト著「表徴の帝国」(ちくま学芸文庫)の表紙になっているので、承知はしていたが、現物はやはりショッキングな像だった。顔の真ん中で割れて真ん中から観音像が顔を出しているというもの。
宝誌像

鉈彫りと言われる素朴な手法で仕上げられているし、かえってその力強さが新鮮だ。万物に仏性あり、というが、こういう形で示してしまおうという作者のアイデアがすごい。さて自身を振り返った時、中から何が出てくるのやら。


posted by 曲月斎 at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。