2011年08月24日

「十三人の刺客」#1

近所のDVD屋に行くと、新作コーナーに「十三人の刺客」が登場していた。

十三人の刺客 通常版 [DVD] / 役所広司, 山田孝之, 伊勢谷友介, 伊原剛志, 松方弘樹 (出演); 三池崇史 (監督)

それだけなら、別に驚くには当たらないのだけど、実はこの映画は旧作のリメークであることを知った。十三人の刺客 [DVD] / 片岡千恵蔵, 里見浩太朗, 嵐寛寿郎, 丹波哲郎, 西村晃 (出演); 工藤栄一 (監督)


まず配役の比較から。
左が新版、右がオリジナル。

【刺客】
島田新左衛門(御目付750石):役所広司→(直参旗本):片岡千恵蔵
島田新六郎(新左衛門の甥):山田孝之→:里見浩太朗
倉永左平太(御徒目付組頭):松方弘樹→(与力):嵐寛寿郎
三橋軍次郎(御小人目付組頭):沢村一樹→三橋軍太夫(倉永配下):阿部九州男
樋口源内(御小人目付):石垣佑磨→(三橋配下):加賀邦男
堀井弥八(御小人目付):近藤公園→(三橋配下):汐路章
日置八十吉(御徒目付):高岡蒼甫→(倉永配下):春日俊二
大竹茂助(御徒目付):六角精児→(倉永配下):片岡栄二郎
石塚利平(足軽):波岡一喜→(倉永配下):和崎俊哉
平山九十郎(浪人・剣豪):伊原剛志→(島田家食客):西村晃
佐原平蔵(浪人・槍の名手):古田新太→(浪人):水島道太郎
小倉庄次郎(平山九十郎門弟):窪田正孝→(九十郎の弟子):沢村精四郎
木賀小弥太(山の民):伊勢谷友介→(木曽落合宿郷士):山城新伍

【明石藩】
松平左兵衛督斉韶:稲垣吾郎→菅貫太郎
鬼頭半兵衛(御用人千石):市村正親→内田良平
間宮図書(江戸家老):内野聖陽→(江戸家老):高松錦之助
浅川十太夫(近習頭):光石研→:原田甲子郎
出口源四郎(近習):阿部進之介→:有川正治
×→ 丹羽隼人:北龍二
×→小泉頼母:明石潮
×→仙田角馬:小田部通麿
×→間宮織部:神木真寿雄
×→間宮小浪:高橋漣
×→大野多仲:堀正夫


【幕府】
土井大炊頭利位(老中):平幹二朗→(筆頭老中):丹波哲郎
×→老中:香川良介


【尾張藩】
牧野靭負(木曽上松陣屋詰):松本幸四郎→:月形龍之介
牧野妥女(靭負の息子):斎藤工→:河原崎長一郎
牧野千世(妥女の嫁):谷村美月→:三島ゆり子

【その他】
芸妓お艶・山の女ウパシ(2役):吹石一恵→芸者おえん:丘さとみ
三州屋徳兵衛(落合宿庄屋):岸部一徳→三州屋徳兵衛(木曽落合宿総代):水野浩
両腕両足の無い女:茂手木桜子→×
×→加代:藤純子(富司純子)

時代の変化を感じますなあ。
と、同時に何を見せたいか、という変化を感じる。

この旧作は1963年封切。
日本映画の金字塔「七人の侍」が公開されたのが、1954年。
この間に何があったか。吉田茂→鳩山一郎→石橋湛山→岸信介→池田勇人。
日本は戦後の混乱から脱却し、日米安保改定の熱狂を超え、高度成長期へと突入する。
映画からテレビへ、農村から都会への人口の流動。

七人の侍で黒沢が見せた集団劇による格闘シーン。この本編はこの集団格闘劇を目指したのはいうまでもない。村が宿場町に変わっただけにて、東宝にできた新志向の時代劇を東映も制作して、起死回生の一作としたかったのではないか。あるいは、戦前からの時代劇スターの集団葬送劇とも見ることができる。片岡知恵蔵は主演最後の映画。嵐寛寿郎、月形龍之介・・・。

もうこれらのスターを主役として見る、所作を違和感なく受け入れられる世代がぎりぎりになっていたのではないか。東映はこの作品以降、一気に任侠映画の路線に舵を切っていく。型を見せて満足させる芝居から、情・理の通った劇へ。旧作はその転換点、最後の光芒だったのだ。


posted by 曲月斎 at 17:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。