2011年03月01日

2011年2月に読んだ本。

2月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:6268ページ

暮しの手帖2010年1月号別冊 シネマの手帖 昭和篇 2010年 01月号 [雑誌]暮しの手帖2010年1月号別冊 シネマの手帖 昭和篇 2010年 01月号 [雑誌]
実にいい本です。書き手が映画を要約し、なおかつ見どころを指摘し、今の意味を提示……。こういう本はなかなか得難いものです。DVDで映画を観るのが当たり前になった今だからこそ、逆に意味があるように思います(たとえ名画でもDVD化されていないと選から外されていることでもあるし)
読了日:02月28日 著者:
畜生道の地球 改版 (中公文庫 R 25)畜生道の地球 改版 (中公文庫 R 25)
読了日:02月28日 著者:桐生 悠々
無名仮名人名簿 (文春文庫 (277‐3))無名仮名人名簿 (文春文庫 (277‐3))
筆者の随筆というと、父親の影、そして死の影がどこか陰影として行間ににじんでくるのだけど、この1冊はその色合いが薄い。やはり元が週刊文春の連載だったこともあるのだろう。その分、人間観察の比重が高くなっている。筆者の本の中で軽めのものを選ぶのなら、この1冊なのかもしれない。
読了日:02月27日 著者:向田 邦子
15歳の東京大空襲 (ちくまプリマー新書)15歳の東京大空襲 (ちくまプリマー新書)
読了日:02月23日 著者:半藤 一利
おおげさがきらい (講談社文庫)おおげさがきらい (講談社文庫)
未刊行だった随筆を集めた1冊。ここにはごく若い時代、新國劇の座付作家状態だったころのものが収められています。未刊だというのですが、どこかで読んだ気がする。既刊の随筆集や筆者の作品の中にから、その匂いをかいでいるからなのでしょうか。不思議な1冊です。
読了日:02月23日 著者:池波 正太郎
東京物語 (集英社文庫)東京物語 (集英社文庫)
青春小説というと、集英社、というイメージがあるのはなぜだろう。原田宗彦のエッセーを数多くだしていたからだろうか。談はさておき、短編小説集という体裁だが、完全に主人公は作者自身。中京圏から上京して駿河台の大学の文学部に入ってから、仕事をしている20代最後までの話。キーになっているのは日付や歌にまつわる思い出が基調低音に流れているので、たぶん、読者も独善的になりやすい青春記ながら、何とか伴走してくれるだろう。携帯電話のない時代。電話も下宿なら「呼び出し」だった時代。PCのない時代。でも時間だけはあって、矢鱈に
読了日:02月23日 著者:奥田 英朗
六つのひきだし―「森繁の重役読本」より (文春文庫)六つのひきだし―「森繁の重役読本」より (文春文庫)
その昔のラジオ番組の台本集。森繁久弥の声を知っている世代には活字なのだけど、その声音が行間から聞こえてくるような気がする。向田の筆さばき。話言葉として書かれたものゆえ、時代を経ていささか古めかしいが、プロットの取り回し方、実に間然とするところがない。たぶん、この本の命も「日曜名作座」を知っている世代までだろうか。でも、いい軽妙な1冊です。それと昔の重役さんは偉かったんだな、と。今時、お手伝いさんも迎えの運転手もいるところは少ないでしょうから。
読了日:02月23日 著者:向田 邦子
ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホンラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン
簡単にラクガキができるようになるといいますが、実はとても精進が必要なことが改めてよく分かりました。人間を描くときに6パターンに分けて説明していたり、つなぎ目(ものの接点)をきちんと描くことで、まともな絵に見えるなど、実に示唆に富んでいるのですが、自分にはやはり絵心がないのだ、ということを実感しました。
読了日:02月20日 著者:寄藤文平
一杯の紅茶の世界史 (文春新書)一杯の紅茶の世界史 (文春新書)
銀座三越で出会ったラプサンスーチョン。大いなるイギリス人の誤解の下に、賞味されたというのがよく分かった。「伝統を感じさせる味」という評価が実にいい。そしてトワイニングとリプトンという2人の人間が紅茶を今日の普及に至らしめるのに、絶大なる活躍をしたことも。結局、ムード、なんでしょうな。お茶を飲むということは。
読了日:02月20日 著者:磯淵 猛
父の詫び状 <新装版> (文春文庫)父の詫び状 <新装版> (文春文庫)
向田邦子が自身の本質を書いた言葉がlこの本にある。曰く。「思い出というのはねずみ花火のようなもので、いったん火をつけると、不意に足許で小さく火を吹き上げ、思いもかけないところへ飛んでいって爆ぜ、人をびっくりさせる。何十年も忘れていたことをどうして今この瞬間に思い出したのか。そのことに驚きながら、顔も名前も忘れてしまった昔の死者たちに束の間の対面をする」。この行為の繰り返しが女史の筆運びの妙、間合い、呼吸につながっていると思うのである。
読了日:02月20日 著者:向田 邦子
かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書)かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書)
元・文科省国語教科書検定官らしい「かなづかい」の解説本。上代特殊仮名遣の話から、定家仮名遣、契沖仮名遣と変遷を遂げてきた歴史を振り返る辺りは面目躍如。ただ、後半になって戦後の新仮名遣いの辺りになると、結構、威圧的な感じの説明が増えてきます。確かに個人の仮名遣いと、遍く一般的に通用することを求められる「規範仮名遣」は性格が異なるものであるのは理解できるのですけどね。最も印刷物がかくも当たり前になり、それがWeb上でも通用するようになったのは、長い仮名遣いの歴史の中でもつい最近のことですから。
読了日:02月18日 著者:白石 良夫
向田邦子 映画の手帖 (徳間文庫)向田邦子 映画の手帖 (徳間文庫)
丁寧な口調、いってみれば小津映画のような口調は今の人間が読み返すと、非常に違和感がある。レース編みのような。妙に丁寧で妙に得たり顔に見える。もちろん、向田邦子らしさも垣間見えるのだけど、全体のトーンとしては結構、読み手に齟齬が生まれたままに終わる感じ。ちょっと雑誌の記事の再録という致命傷があった気がする。
読了日:02月15日 著者:向田 邦子
『薔薇族』の人びと その素顔と舞台裏『薔薇族』の人びと その素顔と舞台裏
三島由紀夫が匿名で書いた短編が所収されているので購入。伊藤文学はそれとなく明かしているが、軍隊経験と同性愛の受容の関係はあるような気がする。で肝心の三島の短編自体はそれほどの内容ではなく、申し訳ないが肩すかし。この点でもちょっと個人的な興味とはずれた内容の1冊だった。いずれにしても「薔薇族の時代」=「クローゼットの時代」ということになるのだろう。
読了日:02月15日 著者:伊藤 文學
女には向かない職業1 (創元ライブラリ)女には向かない職業1 (創元ライブラリ)
2巻目の方がデキがいいです。この巻は「27の瞳」はさておき、途中からワンテーマ化します。センセイ二日酔い、という話が続くのであります。ちょっと順列組み合わせ、考えて欲しかったな。1篇1編は面白いのに。
読了日:02月12日 著者:いしい ひさいち
温泉をよむ (講談社現代新書)温泉をよむ (講談社現代新書)
温泉のハウツーものではないです。温泉の享受史、温泉の民俗学というか。日本の歴史の中で温泉が果たしてきた役割を解き明かしているというか、糸口を付けています。例えばレプラの患者の扱い。受け入れてきたものが徐々に隔てる方向に動いたり、草津温泉に残る大量の無縁墓の存在など、温泉文化の一風景をよく示している例だと思うのです。単にいい湯だな、では済ませたくないヒトのために、この1冊を。
読了日:02月10日 著者:日本温泉文化研究会
女には向かない職業2 なんとかなるわよ (創元ライブラリ)女には向かない職業2 なんとかなるわよ (創元ライブラリ)
いしいワールドで重要なキャラクター、藤原センセのスピンアウトもの。あっちにもこっちにも出ている訳で、編集者が1冊の本にまとめるのは大変だったと思う。でも、違和感なく読めてしまい、面白いのがやはりいしいワールドたる所以。
読了日:02月10日 著者:いしい ひさいち
平家物語大事典平家物語大事典
こういう本を読んだ本、というのかどうか分からないけど、大判、大活字。時代の流れを感じさせる内容。ひと昔前の平家物語観を一新してくれる内容であることは間違いありません。関心があるなら座右にあってもいいし、読む事典と思って1項目ずつ追い掛けるのもいいかもしれません。
読了日:02月08日 著者:
京都 冬のぬくもり (光文社新書)京都 冬のぬくもり (光文社新書)
さらりと筆を進めているのだけど、肝心なところは書いていないのだろうな、と思う。老舗で10年修業して独立、それじゃ1人前とは言えない、という論理も分かるのだけど、どうもすっきり腑に落ちない、ペダンチックな感じが残る。そも京都というのは地方人にそういう思いを抱かせる仕掛け、なのではなるけど。
読了日:02月05日 著者:柏井 壽
古語の謎―書き替えられる読みと意味 (中公新書)古語の謎―書き替えられる読みと意味 (中公新書)
このところ、中公新書に当たりが多い。この本もそんな1冊。「ひむがしののにかぎろひのたつみえて」という万葉集・柿本人麻呂の歌の訓読の変遷を手がかりに、日本での文献学、あるいは国文学研究というのはどういう道を歩んできたのか、という道筋を再考する本です。古学(古文辞学)という分野が果たした実証的な研究と同時に、生きている文学としての享受の差が生まれることを実に明快に説いてくれます。結構刺激の多い本です。
読了日:02月04日 著者:白石 良夫
最新2011年度版 図解 パッとわかる業界地図 (宝島SUGOI文庫)最新2011年度版 図解 パッとわかる業界地図 (宝島SUGOI文庫)
今はWeb上で簡単に有価証券報告書を読むこともできるし、各社の決算についても知ることができます。でもそれを横に並べていくのは結構面倒な作業です。概観を知るには結構、便利な本かも。きょうの新聞紙面を飾った新日鉄と住金の統合も約4兆円の企業と1兆3千万円の会社がくっついて、国内の高炉メーカーは残りは神鋼とJFE(未だに川鉄と日本鋼管という気がする)に集約さるんだな、と分かるといった具合。手がかり本としては面白いです。
読了日:02月04日 著者:
日本の植民地建築―帝国に築かれたネットワーク (河出ブックス)日本の植民地建築―帝国に築かれたネットワーク (河出ブックス)
日本の植民地(台湾、朝鮮、満州)で建築された建物に関連して、人、ものの動きや意思を追跡した本です。いい本だとは思うのですが、余りにも図版(写真)が少なすぎる。国内の建築でも見ることなかなかできぬのに、まして旧植民地。もっと図版を入れて、読者の想像を喚起して欲しかった。要は植民地経営には「見栄え」のいい建築は必須、ということに尽きるのですが、東洋の1帝国として日本が少しずつ成長した姿が建築でも追跡されています。でも筆者の意図に反し、ボリュームが足りなかった感じ。
読了日:02月04日 著者:西澤 泰彦
一勝九敗 (新潮文庫)一勝九敗 (新潮文庫)
せかせかとした本です。申し訳ないが、ちょっと価値観が違う感じです。もし、考え方を知りたいと思うのなら、本人へのインタビューで構成された「一流たちの修業時代」の方がまだすっきりと読めます。言ってみればギトギトの豚骨ラーメンと鶏ガラスープのあっさり醬油の差、というか。
読了日:02月03日 著者:柳井 正
一流たちの修業時代 (光文社新書)一流たちの修業時代 (光文社新書)
この筆者の力量は、ユニクロの柳井某の項を読むとよく分かる。柳井某自身の自伝風読み物「一勝九敗」と比べて、本人が熱心にしゃべりたいことと、読み手にとって関心のある事項とは違うということ。よくインタビューをまとめていると思います。それと良く読むと分かるのですが、筆者自身の地の文が時々混じる。これが薬味になっているんですな。インタビューものとしてはまずまずです。
読了日:02月03日 著者:野地 秩嘉
最新調査 日本の“珍々”踏切最新調査 日本の“珍々”踏切
前著に続いての踏切ワールド。ただ、意外感が少し減った気がするのはその独自の世界観をすでに承知していたからだろうか。この人の本2冊を読んでから、通勤の電車の中からどこに踏切があるのか、気になって仕方ない。ちなみにつかっているのは東海道線。横浜〜品川間には何カ所かの踏切が今でも現役で活躍しているのであります。再々「踏切内に人が立ち入ったため、安全確認のため、運転を見合わせています」という目に遭っているのだけど。
読了日:02月02日 著者:伊藤 博康
<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ
向田邦子の日常の一コマを紹介する1冊。食べることに重心を置いた内容で、自身の手料理、或いは常備菜。遣っていた器の紹介などなど。この人の文章には「耳のうしろを、薄荷水でスーとなでられたような」といったハッとするような表現がある。本人の暮らしぶりもさることながら、向田邦子の随筆を改めて読みたくなる1冊。
読了日:02月02日 著者:向田 邦子,向田 和子

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posted by 曲月斎 at 02:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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