2011年02月08日

「平家物語大事典」

平家物語大事典 [大型本] / 大津 雄一, 日下 力, 佐伯 真一, 櫻井 陽子 (編集); 東京書籍 (刊)師匠にこの前、電話をしたときに「本出したから……」と言われていたので、気にしていたのだが、こういうものは何かの踏ん切りがないと手がでない。
手が出ない値段でもあるし、自分の生活に今や何の関係もないから。

で、この本は読む事典だろう。引く事典ではない。
物語篇は事項索引の形式、周縁篇はその影響についての論考、そして研究篇は成立史や諸本の成立背景の概観、の3部構成となっている。

国文学も進歩しているのである。
僕らが高校のころに習ったのは、語り本系の覚一本系なのだが、その後に読み本系の延慶本が一番古態を残しているという説が有力になった。源平盛衰記もこの系統に属するテキストだ。簡単な物語から複雑な物語へと進むのが普通の享受、異本の成立の過程なのだが、平家物語は逆行している。複雑雑多なものから簡潔なものへ。考えてみればそれは推敲と同じ過程といってもいいのかもしれない。

そんな意味で、読む事典として、今の学生さんはいい物が手に入る時代になったな、と思うのである。

それにしても、本文の活字が大きい。版型がでかい。寝っ転がって読むには難儀、である。

そう、師匠が鎧武者のモデルで図版に出てきたのには笑ってしまった。斎藤別当、ってかなぁ。


posted by 曲月斎 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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