2011年01月07日

「八甲田山」

八甲田山 特別愛蔵版 [DVD] / 高倉健, 北大路欣也, 丹波哲郎, 三國連太郎, 加山雄三 (出演); 新田次郎 (原著); 橋本忍 (脚本); 森谷司郎 (監督)ということで、レンタル店で見付けたので、見てしまった。これを初めて、というかこの前見たのは、今はなき馬車道の横浜東宝会館。1977年の真夏だった記憶がある。

見た当時の印象を言ってしまえば、善玉の高倉健と北大路欣也に、悪玉の三国連太郎、という印象だったのだけど、この歳になって見直すと、全然違う印象になりますな。

組織論として、北大路欣也の演ずる役が如何に優柔不断であるか、あるいは、軍隊とは上下関係に於いて意見具申を許さぬ組織体であるか、ということをよく教えてくれる感じになります。上に「サラリーマン社会」云々の解説がありますが、それは言わずもがなのことでしょう。

昨今、NHKの情報宣伝よろしきを得て、「坂の上の雲」風というか、明治の軍隊は健全だったみたいな風潮もありますが、決してそんなことはないわけで、一色に染まってしまう風潮にはいい警鐘かもしれません。

映画自体のデキとすれば、当時はすごいと思ったけど、饒舌に過ぎるところがあったり、同じ雪の中のシーンで場面が5連隊と31連隊の両方を行き来するので、非常に分かりにくいところもあったり。名編だった印象が強かっただけに、ちょっと意外でしたな。回想シーンの入れ方なんかは「砂の器」の手法をまねていて、創意に欠けると思うし。

ま、とあれ、この事実は映画の舞台となった2年後、黒溝台の会戦で生き残った方々も全員戦死したそうですから、何ともいいようがありません。その事実を八甲田山を背景にした字幕で見せるという手法も正直のところ、いいとは思いません。

おお、書き忘れていました。芥川也寸志の映画音楽はそれはそれはいいものです。荘重で軽妙で。この世代の黛敏郎もそうですけど、映画音楽は若い才能が実験する場でもあったことを改めて教えてくれます。


posted by 曲月斎 at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。