2010年12月22日

「闇を横切れ」

闇を横切れ [DVD] / 川口浩, 山村聰, 叶順子, 滝沢修, 高松英郎 (出演); 増村保造 (監督)新聞記者が格好良かった時代の活劇ものです。

ただの活劇になっていないのがこの1編の妙味というべきか。増村保造という監督の趣味なのか、どうもブルーフィルムの匂いがします。

あらすじとしては九州の田舎町(イメージとして今は北九州市になっている八幡か、戸畑、若松って感じかなぁ)の市長選からみの話が縦糸。保守系の現職市長は街の顔役と表裏一体、自治組織はもちろん、警察までもが顔役の影響下にある現状。今回の市長選では革新派が立候補するが、その候補がラブホテルでストリッパーと情死騒ぎを起こすことから話が始まる。情死はありえない状況、事件に絡んだ目撃者や証言者が次々と怪死し、真相は闇の中に。それを追及するのが若い記者。追えば王ほど肝心なところで話が切れていく。で、最後にその情報が次々と漏れていた本当の黒幕は、というところで話は終わるのであります。

今となってはありえないし、個人情報保護法やその他諸法令のみならず、各新聞社の職業倫理規定に基づき、かような無頼な事は許されるはずもなく、かつての「事件記者」の乗りなのですが、この映画の一番面白いのは、「時平の七笑」のような実悪の存在を見せたことです。実にいい人が実は一番悪い人、という幕切れ、もう少し切れ味が良ければ今も評価されうる1編になった気がします。でもそれは当時とすれば精いっぱいのことかも。

タダの勧善懲悪ではない、今も変わらぬ新聞社の姿の一端を見せてくれているというべきか。

そもそもは、大昔にテレビ東京かどこかの深夜映画で見て、気になっていたんですけど、やっと再会することができた、という感じの作品です。よくDVD化されていたもんだと思うくらい。

これで1980円ならまあ、お値打ちでしょう。


posted by 曲月斎 at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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