2010年10月13日

「地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法」





実に「おたく」と「おたく」の想定問答集形式の本。

表題のごとき条件であれば、どうしたらいいのかという質問から始まって、延々と話が展開していく。輸送船も満足に用意していなかった、あるいは自動車、いやトラックさえ、国産の満足なものがなかった国が戦争を仕掛けるとどうなるのか、という話である。

カタログ次元の性能諸元についての比較になってしまうのがつらいのだが、筆者の言わんとすることは、日本には戦争を始める資格がなかった、という現実だろう。

モリブデン、クロム、タングステンといった鉱物資源がないこと、ましてや砲身を作るような鉄すら満足に生産する体制になかったこと、あるいは、大阪造兵工廠のような一極集中型の生産体制で、型式を更新することすら満足にできなかったこと……。

その後の日本の工業化とはかけ離れた、生糸が主力輸出品だった時代の日本の姿があるわけで、そういう視点からみると「おたく」の問答集も興味深い。

それと、大軍を前に、有効な所持品といえば穴を掘るためのスコップ、と言うこたえが最初の方で提示されるが、この比喩は今の自分の立場に引き重ねられるようで悲しい。


posted by 曲月斎 at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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