2010年09月05日

「栗きんとん」と「栗粉餅」

最近、この地方の秋の土産といえば「栗きんとん」である。

正月のおせちに出てくる代物とは違う。
栗の実をゆでて裏ごしし、砂糖を加えて、茶巾しぼりにしたものだ。

最初、小生が出会ったのは中津川の「すや」のものであったか。亡父がなぜかこれが気に入り、何度か取り寄せていたものだ。
昨今はデパートに行けばどこぞの店のものは出ているわけで、ご当地にきてみれば、どの和菓子店でも「栗きんとん」の看板が出ている。

こういう場合、何ごとも地元の評価を尊重する主義なので、十五代目女将に聞いてみると「恵那の寿やのものがおいしい」という。「すや」はすやでも、中津川は「すや」、恵那は「寿や」だそうな。
08310932_4c7c4d9e52a6e.jpg

店は恵那の駅前にあった。さすがに名の通った店だけあって、頼みもしないのに、郵送注文用のパンフまで入っていたが。

で、十五代目がいうことにゃ……。
「私たち地元の者には、『栗きんとん』はお遣い物、自分たちが食べるのは『クリコ餅』です」という。店の場所はおぼろげに教えてくれたが、そういわれれば食べたくなるのが人情。インターネットで検索すると出てきました。「大津屋の栗粉餅」であります。
栗粉餅.bmp

店はごく小さく、夫婦2人で切り盛りの様子、注文すると、奥の作業場でご主人が餅をちぎっては丸めてござる。そのかたわらで女将どのが粉をまぶし、折箱に入れ、この粉をいっぱいに詰めて包んでくれた。この粉こそが「栗の粉」。栗を蒸してつぶしただけのもので、甘さは少しついているけど加減はお好みでとばかり、粉砂糖が添えられている。餅の味、栗のこの粉の味、初めて食べた「栗きんとん」を思い出すような素朴な味だった。
img91be1529zik5zj.jpg

惜しむらくはこの菓子、賞味期限が「2時間」であること。栗も足が速いし、加糖していないので腐敗しやすいということか、あるいは餅が硬くなってしまうということか。
ともかく製造時刻が赤いペンで記入されて手渡される。厳かな感じである。

ということで、恵那路の秋の味はこの「栗粉餅」に尽きる、と思うのだが、いかんせん、賞味期限が2時間ではどうしようもない。現地に赴いた時にご賞味頂くしかない。ま、もっともこういうものに出会うとうれしくなってしまうのは、根性が小さな所為ではあるのだけど。


posted by 曲月斎 at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。