2010年05月19日

「日本の15大同族企業」


日本の15大同族企業 (平凡社新書)

日本の15大同族企業 (平凡社新書)

  • 作者: 菊地 浩之
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 新書



別に15でなくてもいいし、官立に淵源をもつ企業は多かれ少なかれ同族企業ではあるのだけど、トヨタの豊田家、パナソニックの松下家、三洋電機の井植家、鹿島組の鹿島家、日本生命の弘世家、味の素の鈴木家、東急の五島家、西武の堤家、松坂屋の伊藤家、ブリヂストンの石橋家、武田製薬の武田家、大正製薬の上原家、出光の出光家、東洋工業の松田家などなど、錚々たる企業がその話題に並ぶ。

1社6ページほどなので、深く切り込んだ話にはならぬ難があるのだが、筆者も開き直っている通り、「広く浅く」がモットーの1冊。確かに類書はなく、こういう本も面白い。

どんなに独創的な創業者も老いれば血縁に頼る姿が浮かぶ。企業を支配するには株式を保有し、経営のトップに人材を送り込み続けるしかない。しかし、この2つながらを全うすることは実は難しいというのを、歴史が教えてくれる。創業家の社長が座っているトヨタなど逆に異例中の異例だろう。

各章に創業家の系図と、企業の系統図が載っている。実に親切。どこにも顔を出すのが住友銀行であり、旧財閥の三井、住友、岩崎、鴻池などの家であり、巧みに姻族でつながり合う、これらの家である。逆にもっとこういう本が出ると、日本株式会社を更生する企業の風土みたいなものが見えてくるし、階級社会ではないと言われる日本にあっても、厳然とそびえる階級の壁みたいなものを教えてくれる気がする。

先の15大財閥の本に続き、好著。入門書としてはすこぶるの3乗くらいにいい本だった。


posted by 曲月斎 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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