2010年04月04日

「日本一の桜」


日本一の桜 (講談社現代新書)

日本一の桜 (講談社現代新書)

  • 作者: 丸谷 馨
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 新書



世の中にはライターさん、と言われる職業があります。
雑誌の記事を書いたり、編集者の依頼に応じて原稿をまとめたり。この1冊もそんな匂いのする本です。

前半部分は弘前の桜の話に終始します。弘前の桜の維持管理の経緯を事細かに説き、桜の名所には金がかかる、桜には金がかかるということを説いています。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」との言葉通り、桜は傷口から腐れやすく、病害虫にも弱い−−特に多くの桜の名所に植えられている園芸品種である染井吉野は成長が早く、葉の芽生えに先立って花が一斉に咲くなどの特徴から全国に普及しているものの、その管理が実は結構大変だ、というのをケーススタディとして説いています。

後半部分はこの人の地金なんでしょう。軽いルポのノリです。1本桜と言われる巨木、銘木を紹介し、最後に南から桜の名所を数カ所紹介するという内容は空疎なもの。ただ文献や口碑を丁寧に拾っているので、それなりに読めるのですが。

最初に書いたライターの話。何か本として世に問いたい、説いておきたいという情熱みたいなものが少ないように感じるのです。平均点を目指しているというか、新書としての一定のレベルをクリアすればいいというのか。

新知見は確かにあるのですが、後に残るものは少ない。そんな桜についての入門書でした。


posted by 曲月斎 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。