2013年08月01日

☆7月に読んだ本。

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2636ページ
ナイス数:143ナイス

蕎麦の事典 (講談社学術文庫)蕎麦の事典 (講談社学術文庫)感想
毎日、少しずつ読み進めた。蕎麦という食品が今の暮らし以上に身近な存在であったことを教えてくれる。備荒用の食品から、嗜好品へと、変化していくのがおもしろい。あと、いろんなそば切りの変わり、また、蕎麦粉を使った粉食、あるいは汁物への変化と、なかなかに楽しい。 よくある蕎麦のうんちく本よりも、はるかに実証的で楽しかった。
読了日:7月31日 著者:新島 繁
ラブコメ今昔 (角川文庫)ラブコメ今昔 (角川文庫)感想
この人の文体は歯切れがいいので、嫌いではない。 よく取材をしているし。 以上。
読了日:7月23日 著者:有川 浩
政治の終焉―なぜ政治はかくも空洞化するのか (NHK出版新書 406)政治の終焉―なぜ政治はかくも空洞化するのか (NHK出版新書 406)感想
2012年末の総選挙後に書かれ、2013年の参院選前夜に読了。両碩学が危惧している通り、追憶の対象として自民党の勝利、理念なき政治屋が跳梁跋扈する日は目前に迫っている。マスコミもかつての微分的な手法での取材を抜け出せず、時代が要請している積分的な視点に欠けるとの指摘はごもっとも。政治学者としての御厨がプロとして現況を分析不能を明かせば、経済学者の松原も所謂アベノミクスの効能がないことに慨嘆する。どうすりゃいいんだ、というのが結論。結局、個人的には地方の再生、再編、再構築をどうするか、に帰納することにした。
読了日:7月21日 著者:御厨 貴,松原 隆一郎
限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書)限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書)感想
「限界集落」という用語は高知から生まれた。人口減少+高齢化により集落としての社会的な機能が喪失し、集落が消失する、という概念だ。筆者は自身のフィールドワークから、集落は消失した例はない、と再三力説するのだが、高知に住んでいると、現実には消失してしまった集落がたくさんある。概念として、明治の大合併以前の村落単位と考えればもちろん、昭和の大合併直前の状況、各小学校区を単位とした集落でも、消滅している。たとえ、住基台帳の上では住民登録があっても、居住者がいないのだ。こういう本を書くなら少しは虫の視座がほしい。
読了日:7月19日 著者:山下 祐介
古語と現代語のあいだ (NHK出版新書 409)古語と現代語のあいだ (NHK出版新書 409)感想
相性のいい書き手と悪い書き手がいるもので、この人は後者。若山牧水の「白鳥はかなしからずや海のあお」という歌の「悲しい」と解釈すべきか、「愛しい」と読むべきか、といった話から始まるのだけど、最後は文科省が出てきて教科書検定がでてきて、仮名遣いの件が出てきて……。ミッシングリンクという用語は新鮮なのだけど、文学として、或いは史料として、どう読むかという話なのだから、ちと期待とはミッシングリンクでした。擬古文めかしたい時もあるしね、ちとピンぼけ。
読了日:7月16日 著者:白石 良夫
バチカン近現代史 (中公新書 2221)バチカン近現代史 (中公新書 2221)感想
一応、カソリックの学校で6年間を過ごした。受洗することはなかったけど、ローマ教皇は身近な存在ではあった。無条件で君臨できた中世はさておき、近現代に於いてどう立ち回って来たのかを記述する。都合が悪くなればオーストリアに頼り、反共の目標の下、ナチスとも妥協してきた。そして記憶に新しいヨハネ・パウロ2世が東西対立を破った話に続く。時代が近づくにつれ、やや筆鋒が緩む気もするが、事実の叙述の積み重ねに終始している分、嫌みを抜いているのが救い。確かにもう一つの世界近現代史である。
読了日:7月15日 著者:松本 佐保
続・暴力団 (新潮新書)続・暴力団 (新潮新書)感想
暴対法+暴排条例=カオス、ということか。一般的には「暴力団対警察」という図式を考えがちだが、実は「暴力団対一般社会」という構図になっていること、あるいは警察がよくも悪くも、組織を合法的に大きくしていること、また、暴力団の側も昔のような構成員ではなく、半グレと呼ばれる集団まで巻き込んでいること、などなどの指摘が続く。何とも、どうしたものだろう、という感想しか残らない1冊。ある意味でこれが真実をさらしている部分はあるとは推察するが。
読了日:7月8日 著者:溝口 敦
ウイスキー粋人列伝 (文春新書 918)ウイスキー粋人列伝 (文春新書 918)感想
サントリー提供、の7文字が透かし入りで入っているとさえ思うような本です。 本を切り貼りして、あれこれと書いた本であり、時に秀逸なエピソードを抜き出してきたものだ、とも思います。でも。 ともかく出てくるウイスキーがダルマであり、角であり、ローヤルであり。あるいは同社が輸入元を引き受けているブランドであったり。 日本のウイスキー草創期から、この会社が大きなウエートを占めてきたことは認めますが、ちょっと手の込みすぎたPR本という感じが否めません。 ちなみに私はニッカの方に好意があるせいかもしれませんが。
読了日:7月8日 著者:矢島 裕紀彦
やり直し教養講座 戦争で読み解く日本近現代史 (NHK出版新書 358)やり直し教養講座 戦争で読み解く日本近現代史 (NHK出版新書 358)感想
日本の近現代史を振り返る上で、関係の精査が欠かすことのできない米中韓英露の5カ国に関して、それぞれに紀伝体?風に書いた1冊。 戦争から、という言葉通り、戦争がキーワードなのだけど、それゆえに非常に平板になる。 そして挙げ句の果ては、明治大正の外交官、政治家は偉かった。大衆に迎合しない毅然とした姿勢こそ必要だ、みたいな結論では……。 いかな入門書とはいえ、もう少し丁寧さがないと、却って誤った歴史認識に繋がるような気がする。残念。
読了日:7月3日 著者:河合 敦
日本人の地獄と極楽 (読みなおす日本史)日本人の地獄と極楽 (読みなおす日本史)感想
「地獄八景亡者戯」でこんな場面がある。「ご隠居、地獄ってどこですかいな」「そりゃ極楽のあっちゃ側や」「じゃ極楽は」「地獄のこっちゃ側や」って。ディズニーランドとUSJが隣り合わせなような感覚。その源流を探ったのがこの本。 源信僧都の「往生要集」が末法思想にのって流布した、と教えるのが日本史の教科書だが、祖霊は山や海に帰っていくという祖先崇拝の心持ちに乗った「地獄極楽観」があったと読み解く。曰く「発心因縁十王経」なる日本製の偽経や各地に残った民俗風習からそれを肉付けしていく。すこぶる面白い1冊である。
読了日:7月2日 著者:五来 重

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posted by 曲月斎 at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする