2013年05月01日

☆4月に読んだ本

2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2404ページ
ナイス数:186ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/25109/matome?invite_id=25109

■「二〇世紀民俗学」を乗り越える―私たちは福田アジオとの討論から何を学ぶか?
「民俗学は滅んでも仕方ない」という惹句に読み始めた本だけど、論議のための論議、神学論争のような印象だった。人口減少の中、集落自体が消失し、学問の手掛かり自体が消失している中、今に生きる学問としての道を模索しようとしているのは分かるけど、それ以前に、研究の手法が衰退し、長いスパンで考える土壌が流しているのではないか、ということだけは分かった。いくら国や県、市町村が無形文化財の指定をしても、それ自体がなくなっているのが現実だから。
読了日:4月29日 著者:福田 アジオ,菅 豊,塚原 伸治
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28281360

■聖書考古学 - 遺跡が語る史実 (中公新書)
「旧約聖書考古学」の方が相応しい。旧約聖書の中でもモーゼ5書の「律法」、続く史書の「預言者」部分を重点に、考古学の成果と付き合わせて、史実を探るのがこの学問。探るというより、むしろ伝承者意図考察すると言った方が正解かもしれぬ。中で筆者が「旧約聖書と古事記の構造、成立過程」の類似性を指摘しているのは、面白かった。極東の日本で古代オリエント史の参究に励む筆者に敬意。ただ図版をもっと挿入し、見やすい位置におくこと、さらには頭の中を整理しやすいよう年表、系譜をいれるなどの工夫が欲しかった。馴染みが薄い世界だから。
読了日:4月28日 著者:長谷川 修一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28264078

■サムライとヤクザ: 「男」の来た道 (ちくま文庫)
「男伊達」「達引き」等々、ジェンダーの観点からは少し埃をかぶった感のある言葉だが、どっこい生きて使っている。男という概念を探った1冊です。 武士道なるものが成立するまで、「かぶき者」=無頼の町奴が出現したという。そして幕政下の綱紀粛正で存在が滅んだ後、今度は大名の籠かきなど、現業部門を担うガテン系の「陸尺(ろくしゃく)」という存在が生まれ、幕末期には単なるホワイトカラーと化した武士に変わり、兵役を担ったという。さらに明治期に至ってのやくざへの進化はご存じの通り。面白い1冊。ただ「ちくま新書」の再版です。
読了日:4月24日 著者:氏家 幹人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28143462

■ゴルフは寄せとパットから考える (日経プレミアシリーズ)
3年間、ゴルフと付き合って、素敵だなと思った選手の1番手。日本ではなかなか生のプレーを見る機会はないけど、スタイリッシュという言葉がぴったりです。 そんな今田竜二の本です。 62度のロブウエッジを軸に、パッティングに対しての考え方も、すこぶる示唆に富んでいて楽しい本です。彼と同じような感覚を持っているのは、池田勇太ではないでしょうか。 ただ、聞き書きの編集が稚拙。同じ話が重複したり、聞き手の技量のなさで、もう一押し、引き出せる言葉があったのではないかと。その点が惜しまれます。PGAツアー復帰を願いつつ。
読了日:4月20日 著者:今田 竜二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28011923

■不動明王 (岩波現代文庫)
元々は朝日選書の1冊。成田山が1968年に新本堂を落成した際、関係者に配るために筆者に執筆を依頼して上梓したという。 不動信仰というのは身分の上下を問わず受け入れられてきた歴史がある。 前段はその享受史を丹念に紐解いている。空海が招来した密教に於いて効力、主尊の大日如来の化身という位置づけが説かれ、上臈への傾倒を深めて民衆から離れた密教、その一方で地に足を付けた僧もいて広く浸透したとのた指摘は興味深い。 後段は大日経やその注釈書、法会の在り方などを原典に遡って説く。学識としての自負に満ちている。良心的。
読了日:4月17日 著者:渡辺 照宏
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27935452

■歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)
1話3〜4ページで読み切り。歴史の本というと、堅苦しく思えるが裃を脱いだ筆運びに、よどみなく読み進める。 古文書を元に歴史を解明していくというのはごくオーソドックスなスタイルだが、そこに現代の視点(たとえば忍者の労災死亡率とか、新幹線からの関ヶ原見物作法とか)があるのが妙味。 それと、3・11以降、歴史学者として、この問題に取り組もう(特に中世、あるいは東国などの地方の)記録が少ないのを埋めようと決意した辺り、ふと「経済とは経世済民の意、さて文学研究や如何に」と頭を抱えた学生時代の我が身を思い出した。
読了日:4月17日 著者:磯田 道史
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27935179

■米陸軍サバイバル全書 [新版]
存在を知って、好奇心を持って、読み終えた1冊。 生き残る、生き延びるためには、多くの技術が必要なのだなあ、と改めて実感しました。 再三、出てくるのが「シェルター」という言葉。あと飲料水の確保ということ。 万一の場合は、この2点を本当に考えなくてはいけません。 「煮沸しても浄水剤を入れよ」と重ねて警告しているのが、いかにもアメリカ的。途中で竹槍の作り方まで紹介されていました。 しかし、サバイバルキットだけで、荷物がいっぱいになってしまいそうな気分にもなりました(使えば壊れるという注記もありましたが)。
読了日:4月14日 著者:米国陸軍省編
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27850546

■大研究 日本の道路120万キロ (じっぴコンパクト新書)
人間が生きていく上で、道という存在は欠かせません。で、日本という国ではどんな道であれ、法律的な根拠があり、設置する人間の意思が働いている。 そういう基本的なことを教えてくれる1冊です。 筆者は「酷道」マニアとして知られている人物。道路にかける愛情?というか好奇心が結実した1冊といえるでしょう。 印象的だったのは旧内務省系の建設省と、旧鉄道省系の運輸省が各々道路を管理してきたということ。今は国交省という名になっていますが……。農道や林道を管理する農水省の存在も。錯綜した権益が今も禍根として残っていますが。
読了日:4月13日 著者:平沼 義之
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27829641

■地名に隠された「南海津波」 (講談社+α新書)
東海、東南海、南海トラフ地震の津波被害想定域の中の地名から「浜・州・島・田」など、低湿地を含意する地名を拾い出し、過去の被害の記憶を探ろう、というのが本の主題。 ただ、内容は総花的で、このサイズの新書にまとめるのには無理がある内容だ。また、抽出している地名が、国土地理院の2万5千分の1地形図掲載の地名検索で探せる程度のものにとどまっているのが恨みだ。 今は地形図上からも、実生活からも消えている「小字」にこそ、本当は含意は多く含まれていると思うのだが。 ただ旧版の地形図を使ったり、工夫しているのは評価。
読了日:4月11日 著者:谷川 彰英
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27771494

■戦前の生活: 大日本帝国の”リアルな生活誌” (ちくま文庫)
さらさらと読み進めてしまうのだけど、雑駁な印象は免れない。 旧制高校の学生らのご乱行は北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」の世界。阿部定の話も新味にかける。 強いて言えば、当時の物価と今の貨幣価値を換算して実感を持たせようとする努力は買うけど、「都新聞」の社会面の切り貼り、って感じかなあ。 概観というか、戦前の日本がどんな暮らしだったのか、ということを、発見しなおすきっかけにはなるかもしれないけど。
読了日:4月7日 著者:武田 知弘
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27683893

■カツオ人間写真集
やっぱり高知に住みゆうき、暫時、買うたちや。 写真集になったらまた、違うた趣よねえ。 この本見てパラダイス山本の「マン盆栽」思い出した。マン盆は普通の盆栽にフィギュアを置いたがぁで、物語を可視的にしちゅうがやけんど、この本は実際の景色にカツオ人間を立たせちゅうきに、ただの名所写真集やない。ちゃんと物語を生み出しちゅう。 きもかわ、て言われゆうけんど、ぎっちり愛嬌があるヤツやき。 それと副産物。ト書の高知弁がネイティブに近いき、こりゃぁまことに土佐弁の教科書よねえて、いいゆう人もおる。(方言を修正)
読了日:4月3日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27566920

■カツオ人間写真集
やはり高知に住みゆうき、真っ先にこうたちや。写真集にばなると、またまことにちごうた趣よねえ。 この本ば見てから、パラダイス山本の「マン盆栽」ば思い出したが。マン盆は普通の盆栽にフィギュアを添えることで、物語を可視的にしゆうけんど、この本は実際の景色にカツオ人間をたたせることで、単なる名所写真集ではない、物語を生み出しゆう。きもかわ、とか言われゆうけんど、実に愛嬌があるヤツやき。 それと副産物。この本のト書きで入っている高知弁ば、すこぶるネイティブに近いけん、土佐弁の教科書じゃ、いいゆう人もおりゆう。
読了日:4月3日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27566165


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posted by 曲月斎 at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑事雑用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする