2013年03月01日

2月に読んだ本。

2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2774ページ
ナイス数:109ナイス

お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書 2206)お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書 2206)
読了日:2月28日 著者:鎌田 道隆
芸人の肖像 (ちくま新書)芸人の肖像 (ちくま新書)感想
門前の小僧、という言葉があるけど、この写真を見ていると、ああ、小沢昭一の生家は写真館だったな、と思い出した。今のようにデジカメではなく、銀塩写真の時代に、これだけ表情を切り取った写真を見せられると、うなるしかない。懐かしい藝人さんの写真も。たとえば広沢瓢右衛門。決して美声ではなかったけど、迫力十分の人だったなあ。印画紙の向こうに、彼ら、彼女らの持って行ってしまった藝が見えるような気がした。新書判というのも味噌がもしれない。切り詰め、そぎ落としてのこのスナップ集。それだけに写真を見ることで、その人の藝をもう
読了日:2月26日 著者:小沢 昭一
へうげもの(16) (モーニング KC)へうげもの(16) (モーニング KC)感想
いよいよ大団円に向けてのラストスパート。古田織部もすっかり老成、とはいかないのが、いいですね。 ただ、一読で作意を計りかねるようになってきた気もするのでござるが。
読了日:2月24日 著者:山田 芳裕
3日もあれば海外旅行 (光文社新書)3日もあれば海外旅行 (光文社新書)感想
時間がない、金がない、という言い訳はしたくないけど、海外となる腰が重い。少しは軽くなるかと思って読んだけど、確かにねえ、とは思わせてもらいました。週末は海外旅行、という生活も成立しうる世の中になっているのですね。それも贅沢、としてではなく。ある意味でネット時代の海外旅行の在り方を教えてくれる1冊かもしれません。
読了日:2月22日 著者:吉田 友和
宗教のレトリック宗教のレトリック感想
レトリック(修辞)の観点から、宗教の言葉を読み解くと、という本です。レトリックとは何ぞやとなると、直喩、隠喩……などという「たとえ・見立て」ということになるのでしょうか。筆者の視点は冒頭にある「ゴータマ・シッタルダ」という人物が「ブッダ(覚者)」と、大工のイエスが「キリスト(救世主)」と呼ばれた構図をして一つの「意図がある見立て」と読み解いてみせる。文はなかなかに軽快で飄逸。ただ個人的にはこの修辞という考え方になかなかなじめず、結構難航しました。こういう読み解き方もあるのか、という参考にはなります。
読了日:2月22日 著者:中村 圭志
密教仏像図典―インドと日本のほとけたち密教仏像図典―インドと日本のほとけたち感想
図鑑本なので、通読という訳ではないのですが、この当時にしては意欲的な本だったと思います。というのは密教の神々は多くはインドに起源を持つわけで、その何でも取り込んでしまう包容力ゆえに、唐→日本と渡る間に、大幅な転化を遂げ、何が本性なのか分からなくなっているものが多いのです。その点で、原点に立ち戻って解明しようとする本書の姿勢は敬意に値します。入門書という訳ではないですが、引っかかった時に立ち戻って参照するにはいい本だと思います。「密教の神々―その文化史的考察 (平凡社ライブラリー)」を連想させる1冊です。
読了日:2月17日 著者:頼富 本宏,下泉 全暁
吉田神道の四百年 神と葵の近世史 (講談社選書メチエ)吉田神道の四百年 神と葵の近世史 (講談社選書メチエ)感想
中世から近世にかけ、日本人の「神」への在り方を決定付けた「吉田家」という存在について、追いかけた1冊です。この世の位階は朝廷が決められても、神さんは別で、この家の裁量だった。神様のことは一切取り仕切ってきたわけで、前半は神と人との関係を下世話にした役割が明かされます。後半は「饅頭の本家・元祖の争い」みたいな話になるのですが、いい加減な商売をしていては、実証主義の前に屈するのも仕方ないかな。大きく言えば、日本人と神・権威の関係を天皇制、幕藩体制の中で読み解いています。知的な刺激も多く、文章も平易な好著です。
読了日:2月17日 著者:井上 智勝
間抜けの構造 (新潮新書)間抜けの構造 (新潮新書)感想
口述筆記したものでしょうけど、非常に間が悪い。何か読みにくい。話し言葉はくどくなりがちなのだけど、それを反映している感じ。本の内容としては漫才の部分までかなあ。その後は何か牽強付会な気がしてならぬ。 別に武に悪意がある訳ではないのだけど。 何か精いっぱい背伸びをしているようで、どうにも間合いについて行けない感じです。個人的には
読了日:2月16日 著者:ビートたけし
中世芸能人の思想―世阿弥あとさき中世芸能人の思想―世阿弥あとさき感想
所謂中世からの藝談を追いかけ、分析したもの。もちろん中心は能についての藝談が中心をなす。能では世阿弥、金春禅竹、禅鳳、安照と藝談の変容が追いかけられるので、氏もそういうことがしたかったのだろう。世阿弥時代から始まる「権威付け」や、さらには禅僧や歌人、高貴との交流で身につけた知識、見解の引用や敷衍化等々、時代が下がるにつれて種々の俗臭にまみれてくるのが面白い。なお、原典を多く引用しているがその後ろに現代語訳が付けているのが楽でもあり、鬱陶しくもあり。ま、独特の「堂本節」を堪能できることは間違いありません。
読了日:2月15日 著者:堂本 正樹
俳句で綴る 変哲半生記俳句で綴る 変哲半生記感想
先途他界した小沢昭一の句集。この人の句で一番好きな一句「校長満悦裁縫学校潮干狩」は句作を始めて間がないころの句だったというのは初めて知った。句集ってのは読み通すものではないと思っているので、拾い読みの楽しさを味わう。ところでこの本、装丁が凝っている。写真では普通の縦長の本のようだが、実は中身は横長の版型、横本になっているのである。1行17音という短詩形文学には、天地の余白といい、ちょうどいい。この趣向だけでも岩波書店、やるなあ、という感じになる。本の内容については数日前の朝日新聞歌俳欄の評を御覧乞う。
読了日:2月15日 著者:小沢 昭一
信長の城 (岩波新書)信長の城 (岩波新書)感想
今の学問とはこういうスタイルをとるのだ、ということを示すような本です。信長が関わった城、というのを鍵に、古文書学、考古学、自然&人文地理学などなどを駆使して、何もない地平にかつての姿を想像するーー楽しい1冊です。中でポイントは「懸崖作り」の発想でしょう。現存する城郭には少ないものの、清水寺の舞台のような、斜面まで利活用する構造です。これが城郭建築に活用されていたと読み解くのは見事です。確かに自身が生まれた勝幡城から那古野城、清須城と住み、自らが建てた小牧山城、岐阜城、安土城と高度化する立論は快感です。
読了日:2月15日 著者:千田 嘉博

読書メーター
posted by 曲月斎 at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする