2012年12月01日

11月に読んだ本。

2012年11月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1632ページ
ナイス数:73ナイス

政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)感想
日本が戦前の一時期に経験した政友会と民政党の2大政党制。現下と比較し、筆者は「既視感がつきまとう」と記す。氏は民政党に見立てた民主党には官僚を使いこなすことを学べといい、政友会に見立てた自民党は東北の農村から東京のスラム街まで調査して政策を導きだそうとした例にならい、包括政党を目指せと説く。時間はあるのか焦燥感がわく。民意の複雑な連立方程式の解を求めての連立政権の再編、国民と痛みを分かち合える指導者の出現、政治参加に対しての国民の責任感の回復……。今時の総選挙でも考えるべき課題提示がこの本にはある。
読了日:11月30日 著者:井上 寿一
誰も書けなかった防衛省の真実誰も書けなかった防衛省の真実感想
仕事関係の本。氏の来歴から始まって、防衛大臣としての経験を踏まえ、現場の目線、上からの目線でこの組織を問うた本。文民統制とは政治家(つまり命令権者)がしっかりしているかどうかを問う制度であり、制服組が事務方に入っていない組織は変、ということに尽きるのであります。財務省であれ、外務省であれ、現場を経験して事務次官になっていくのに、この省だけは制服組ではなく内局から昇進していく。そんな歪みを指摘している本です。ただ、昭和史への反省もあり、どこまで新しい人材登用策がとれるか、つまるところ上の力量です。
読了日:11月24日 著者:中谷 元
右でも左でもない政治―リベラルの旗右でも左でもない政治―リベラルの旗感想
これも仕事の関係で読んだ本。 個人的な見解として、筆者が「リベラルの旗」として指摘しているのは @繁栄の基礎となる社会インフラの整備の後、国民や地域社会の主体性にゆだねる A熟柿の政治。国民的な合意形成を重視する。憲法のあり方など政治が前のめりに誘導してはならぬ。 B日米同盟を基軸にしながらも国連中心主義とアジア近隣諸国の信頼関係構築 C守るに値する国づくり D経済至上主義への警戒感を持つこと−− をあげている。首肯すべき点は多い。一歩間違うと夜郎自大になってしまう国民性ゆえに。
読了日:11月23日 著者:中谷 元
お言葉ですが…〈別巻5〉漢字の慣用音って何だろう?お言葉ですが…〈別巻5〉漢字の慣用音って何だろう?
読了日:11月23日 著者:高島 俊男
なぜ自民党の支持率は上がらないのかなぜ自民党の支持率は上がらないのか感想
仕事の都合があって読了。日頃、氏がホームページで書き綴ってきたことをまとめたものであるという。 @1冊の本にしたときには、部立てにせず、時系列の方が読みやすかったかもしれない。 A外交論、防衛論は自家薬籠中のものであると感心した。明快である。 Bその一方で、この本では地方の振興、再生はどうすることから始めるのか、という部分がもっと具体的に持論を展開されていたらよかったような気がする。たぶん、地方にいると、自分たちがいかな状況にあるかという自覚すらないままになってしまう気がするから。
読了日:11月23日 著者:中谷 元
ことばと文字と文章と―お言葉ですが…〈別巻4〉ことばと文字と文章と―お言葉ですが…〈別巻4〉感想
1年経って、読んだのも忘れて再読。今次の評価は前回と逆。「漢字」というツールを使って一定の文化圏を築いてきたこのエリア、発音はどうあれ、文章語として互いに意味が通じ合うという意味で「文語文」という文章が成立してきた、という指摘は新鮮。今まで文語文&口語文という対句は何度となく見てきたけど、これが一番明解な考え方です。落ち着いて読むと違うものですな。ただ、表題部分の約130ページが出色。外地での日本語教育や「閩妃殺害」の話はちょと筆者のお好み、なのでしょうな。
読了日:11月20日 著者:高島 俊男
未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)感想
上手い本です。15年戦争の末期、「持たざる国」日本は精神力ですべてを解決することに一縷の望みをかけた。でもこの発想は実は第一次大戦の戦訓から「持たざる国」という自覚の下に展開していったことであると立論して見せます。「短期決戦で」と考えた小畑敏四郎、「持てる国への変容を」と考えた石原莞爾&田中智学、「精神力で」と考えた中柴末純、そして末期を看取った酒井鎬次−−。各々狂気と自覚しつつ突き進んだのがよく分かります。そして「統制派」と「皇道派」の違いを明快に説いた本。狂気と正気は紙一重です。何より後書きが秀逸。
読了日:11月5日 著者:片山 杜秀

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posted by 曲月斎 at 02:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑事雑用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする