2012年02月01日

1月に読んだ本。

1月に読んだ本。
matome_gimage_25109_1.jpg

1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3121ページ
ナイス数:51ナイス



日本人の性生活日本人の性生活
確かに興味深い内容の1冊では、あるだろう。しかし、今の人間が読み返す時、ドイツ人が書いた「遠野物語」みたいな感じが拭えない。専門書?を飛ばし読みする暴挙の末の感想ではあるが、オリエンタリズムに基づいた好奇心、高い目線からの博索ぶり。彼らがなぜこの極東の島国にかくも篤い関心を寄せたのか、本を読みながら考え込んでしまった。内容は実に多岐に渡る。筆者は多分、概念として成立間がない民俗学者としての「プラントハンター」のような心境だったか。今はなき「夜想」のような感じの本。中古で買ったのでまだ許せるか、という感じ。
読了日:01月29日 著者:フリートリッヒ・S. クラウス


蝶々にエノケン 私が出会った巨星たち蝶々にエノケン 私が出会った巨星たち
中山千夏、と言っても、若い方はご存じないだろう。1970年代頃までテレビや舞台で活躍し、80年代には参院議員を1期務めた。ジェンダーという言葉の前、ウーマンリブといっていた頃に時代の人だ。子役からの長い芸歴の持ち主で、出会った多くの役者、芸能人の子役目線で見た思い出話。途中で気がつくのだけど、筆者自身の見聞と、webで検索した情報とがない交ぜになっている。自身の見たこと聞いたことで綴ってくれた方が面白いのに、と思ったのだが。印象深い挿話を一つ。「仁丹というと、詩人のサトウハチローと越路吹雪を思い出す」。
読了日:01月29日 著者:中山 千夏


へうげもの(14) (モーニング KC)へうげもの(14) (モーニング KC)
はるばる来ぬる旅をしぞ思う、という感じ。このマンガを読み始めて幾年月である。本巻は徳川家康の上杉討伐から、関ヶ原前夜まで。途中で笑えるのはやはりガラシャ夫人が西軍方に攻められて「猛反撃」する場面と、幽齋センセの古今伝授の逸話かな。一幕だけ出る登場人物が多くなって、いよいよ作者が「走っている」感じもある。でも、何とか山田先生には、最後までがんばってほしいなあ。無事に完結することを祈るばかり。
読了日:01月28日 著者:山田 芳裕


あの日からのマンガ (ビームコミックス)あの日からのマンガ (ビームコミックス)
あの震災からもうすぐ1年。あのときに「マンガ」という手法で何かをしようとする筆者の姿勢にひたすら感服。ある意味で、朝日新聞夕刊の4コマ漫画に加えて、ストーリーものも一緒に載せてあるのだけど、実にしりあがり調。振り返って読んでみても十分におもしろい。故に手元に届いたのは6刷目だった。震災、津波、原発事故と続いたあの時期の空気を見事に切り取っているのに感じ入るばかり。おすすめです。
読了日:01月25日 著者:しりあがり寿


父・金正日と私 金正男独占告白父・金正日と私 金正男独占告白
筆者は東京新聞の外報部記者・編集委員。本の内容は一言で言えば、取材メモの開陳に近い。北京空港で出会ったのを僥倖に(というのは本当かどうかわからぬが)、メールのやりとりを繰り返し、途中で澳門でのインタビューもはさみつつ、金正日死去の後にやりとりをしたというメールで締めくくっている。内容は、特に新味もないし、金正男の真正の発言であるという根拠もない(筆者がいうところによれば日本語はそんなに得意ではないそうな。朝鮮語→日本語、あるいは英語→日本語の変換が正確であるかどうかもわからぬ)。ちょっと看板倒れ?
読了日:01月23日 著者:五味 洋治


江戸の縁起物――浅草仲見世助六物語江戸の縁起物――浅草仲見世助六物語
助六といえば、浅草の仲見世にある細工物店。紙、泥、竹に木を材料に豆寸法の縁起物が売っている。きっぷのいい先代の女将がいた頃は、よく狸の人形を買ってきたものだ。今でも観音様にいけば覗いて見る。楽しいんだけど、手作りの一点物だから高い。あれこれできないのが現実だが、写真にまとまると楽しい。今でも机の正面には助六で買った今戸焼の火鉢・河童が鎮座している。何とかご無事なのは河童様のおかげかしらん。
読了日:01月18日 著者:木村 吉隆


写真集・火の見櫓
読了日:01月18日 著者:石川 元之
写真集・火の見櫓写真集・火の見櫓
読んだ、というよりも眺めた、という方が正確だけど。志太榛原に勤務していたとき、町のあちこちに火の見櫓が残っていた。というのは自治体の消防能力(いわゆる消防署)だけでは災害に対応できるマンパワーはなく、消防団の役割が大きいからです。消防団はホースを使う。干すための場所がいる、従って火の見櫓なのです。柔らかめの調子の白黒写真が写す風景は優しい景色です。人間同士のつながりの濃淡を示す指標が火の見櫓の存在なのかもしれない。そんなことを考えました。 写真を見ているだけでも、結構心和みます。用の美、もあるし。
読了日:01月18日 著者:石川 元之


日本伝統音楽の研究 (2)日本伝統音楽の研究 (2)
やっと古本屋で見つけた2巻目。この本ではわらべ歌から、民謡、雅楽、能楽、長唄、詩吟・・・・。ありとあらゆる、とさえ思えるほどの、日本の音楽を採譜し、リズムの展開について考察している。最後はアジア音楽との比較でその本質を探ろうとしていたのだが、筆者の急逝に伴い、最終章はメモの画像収録となっている。 博索一途、事実に寄り添うように論理を抽出していく筆者の姿勢は、学者としての誠意ゆえだろう。ぜひきちんとした形にして世に残したかったに違いない。 それと今のOSがあったら。もっと深い研究まで進めていただろう。
読了日:01月18日 著者:小泉 文夫


大解剖 日本の銀行―メガバンクから地銀・信金・信組まで (平凡社新書)大解剖 日本の銀行―メガバンクから地銀・信金・信組まで (平凡社新書)
筆者は日本の銀行(特に資金量の大きな3大メガバンク、地銀上位行)は今や、ビジネスモデルを見失って、収益を何で上げ、何を業務としていくのかがわかっていない、と指摘する。金融危機に直面している欧米の銀行は範とするに足らず、護送船団方式で育ってきた邦銀に今後の海図がないという。また、地域密着型の金融機関であるはずの信金、信組ほど、地域との「絆」を失っているのではないかと指摘する。 確かにこれからはネット銀行の時代なのかもしれない。預金と決済が中心の個人にとって便利な銀行は。 でもやりきれない気分になる本。
読了日:01月18日 著者:津田 倫男


教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)教養としての日本宗教事件史 (河出ブックス)
日本の宗教においてのエポックを点綴した本。1項目ごとの読み応えにはかけるが入門的通史という点では可。大学の一般教養の教科書のようですね。ただ、筆者の本領が発揮されるのはやはり新宗教の分野。日本の信仰風土について、遠藤周作が「沈黙」の中で記述した一文を引用しているが、これがすべてだろう。それともう一つ。「おひとり様宗教」という視点が新鮮。筆者は「真如苑」をあげている。カウンセリングに近いとその内容を説明している。高度成長期の「創価学会」「立正佼成会」から少子化の時代を迎えての信仰の新形態の指摘は興味深い。
読了日:01月13日 著者:島田 裕巳


ソーシャルメディア炎上事件簿ソーシャルメディア炎上事件簿
「炎上」ってのは、パソコン通信の時代から見たし、「ネチケット」なんていう言葉があり、炎上する一方でオフミで親交を暖めるなんてこともあったりして。そういう原始時代は終わったのですね。個別の事件と対応、興味深かった。ただ、この本の要旨はといえば、IBMのソーシャルコンピューティングのガイドライン。引用になるけど「身分を明かして1人称で語る/価値を付加した情報の発信に努める」などなど、195ページの内容に尽きる気がします。それまでの事象検討は、この1ページのため、という感じ。ある意味で勉強になりました。
読了日:01月12日 著者:小林 直樹


日本ラーメン秘史 (日経プレミアシリーズ)日本ラーメン秘史 (日経プレミアシリーズ)
筆者が一生懸命、ラーメンを食べて、思索を巡らせているのはよく分かります。昔、通っていたスナックの隣が某有名店で、その話も出てくるので懐かしく読みました。ただ、食い物の話を文章に書くのは実に難しいことです。うまいと思うことをどう表現するのか。実にたくさんの店の名前が登場して、それだけでも楽しいのかもしれませんが、素人には絵が想像できず、豊富な情報を生かせない、という感じです。筆者の熱意に驚嘆するばかりにて。
読了日:01月11日 著者:大崎 裕史


ホームレス歌人のいた冬ホームレス歌人のいた冬
読了日:01月09日 著者:三山 喬


新装改訂版 新書判 山口組動乱!!2008-2011 司忍六代目組長復帰と紳助事件新装改訂版 新書判 山口組動乱!!2008-2011 司忍六代目組長復帰と紳助事件
既に筆者は新潮新書「暴力団」で、既にマフィア化するしかない暴力団の現況を指摘している。本書はその中でも山口組の抱える現況に絞って論を進めていく。5代目組長の時代の幹部と6代目組長になってからの新幹部の登用と、それに伴う軋轢。あるいは6代目組長が基盤にしてきた中京圏、特に愛知県警との関係など、論は展開して行く。角界に飛び火した野球賭博の件や、それ以前に朝青龍が現役時代に行ってきた乱行と暴力団の関係、或いは先の島田紳助の件と話は進んでいくが、どうもこの辺りは薄味。加筆部分だけにちょっと残念。
読了日:01月02日 著者:溝口 敦



2012年1月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター


posted by 曲月斎 at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。