2010年12月31日

大晦日。

大年も常に変わらぬ我が家哉
posted by 曲月斎 at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

昔の相撲。

年末ですな。

この時期はコストのかからぬ藝がテレビから流れてくる時期。
その点で、今日のテレ東の相撲の特集は面白かった。

上位人気力士(ま、高見盛は別だが)がカオを揃え、魁傑、千代の富士、魁輝が解説役。戦後の相撲をずっと俯瞰するような内容だったのですが。

明らかに今の相撲より、昭和50年代までくらいの相撲の方が面白い。
何で面白いか、というと、綾があるからです。

こういう色の付いたおさらい番組は結構、味わい深いものがありました。
posted by 曲月斎 at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 知進知退 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月30日

さて」今日は。

神田まつやで蕎麦を買う。
もう十数年来の慣習。
折りの中に入っている太い白ネギがなぜかおいしい。

家の片づけ。
こりゃ、年内には終わらない。せめて捨てられるものは捨てましょ。

年賀状の準備。
未だに手つかず。デザインすら思いつかない。
困ったもんだ。近況報告にするのか、儀礼的にするか。
思案投げ首、である。

多事多端。晦日である。
posted by 曲月斎 at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「韓国人の作法」

韓国人の作法 (集英社新書) [新書] / 金 栄勲 (著); 金 順姫 (翻訳); 集英社 (刊)近くて遠い国、といういいようは使い古されたものだけど、改めてその不思議を韓国人自身がQ&Aで応えていくと、こりゃちょっとイメージが違うぞ、という印象でしたな。

1)儒教文化の伝播
孔子が言い始めた儒教は東アジア、漢字文化圏ではある意味で行動規範となってきたのはご存じの通りです。で、伝来のルートは朝鮮半島を通ってこの島に入ってきたわけで、本家に近かったのか、少し距離があったのか、の差だけではなかったか、ということ。
決して日本の中に、朝鮮半島の背負っている「くびき」がないとはいえない。
2)村社会から個への進化過程
日本も高度成長期に味わったように、韓国は稲作中心の村社会から、個の生活への移行が進んでいる最中の姿を今は示しているということ。冠婚葬祭の儀礼にも衣食住にも、その課程が見て取れる。ちょうど日本の30年前かもしれない。一番、共通項であるのだな、と思うのは、「米」を食べ尽くし、「麦」の収穫が出来るまでの間の「端境期」。この期間に餓えを痛切に感じてきたという民族的な経験は今も残っているに過ぎない。

ということで、問答体の1冊。大上段に構えるのではなく、自分の身近に引き寄せて読んでみると面白い1冊だった。
posted by 曲月斎 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月29日

「ούζο」の味。

標題部分は別に文字化けをおこしている訳ではない。
ギリシャ語である。「ウーゾ」と読む。

metakusa.jpgギリシャの酒で、ブドウやレーズンを原料とした強い蒸留酒に、アニスなどの香草を加えて作ったリキュール。かのちでは食前酒としてよく楽しまれるらしい。

28日の夜、曙町のアポロに出掛けた。
3度目になる。

マスターとの話で「確か1階はギリシャ料理屋さんでしたね」と振ると、「ええ、でもだいぶ昔に止めてしまいましたけどね」と四方山話が始まった。

鎌倉街道沿いにはなぜかギリシャ料理屋が何軒もあった。
不思議に思っていたのだが、マスターとの話でナゾが解けた。要は港が鍵だったのだ。

昔はパナマ、リベリアと並んでギリシャ船籍の船がたくさんあった。
乗組員も多くギリシャ人がいた。

遠く離れても食べたいのが故郷の味である。それに答えるべく、これらの店は存在したのだ。

だが。時は流れ、船員がヨコハマの町を歩く姿を見掛けなくなった。荷役の中心はコンテナであり、着岸料が高いので船はサッと来て、ささっと荷役を済ませ、出て行ってしまう。自然、ギリシャ料理屋の需要もなくなった。

そんな話の中で、標題の「ウーゾ」の話が出た。ひさしぶりに勧められるままに1杯飲んだ。舌の両側に残る不思議な甘みと香り、やはりウーゾはウーゾである。
「もうウチが仕入れている酒屋でもウゾを注文するのはウチくらいらしくて……」とマスター。
確かに忘れられかけてしまった酒かもしれない。

そんなことはさておき、この日のメーンはハンバーグサンド。
4968670.jpg前回のハンバーグピザと同様、ここのハンバーグはおいしい。(ちなみにハンバーグピザというのはピザ生地の真ん中にどんとハンバーグが載った代物。驚異の取り合わせなのだが、なぜかおいしい)
加えてどんと具も挟み込んであって、言うに言われる上々の味である。

キッチンがしっかりしたバーというのはもう絶滅寸前の存在かもしれない。でもいつまでも続いて欲しいものだ。

ちなみに大晦日は営業のよし。マスター曰く「ここのカウンターで年越しを何十年としているお客さんも居ますから。今年も開けますよ。元日の朝まで」

新年は6日からだそうだ。
posted by 曲月斎 at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月25日

聖夜。

いにしえの書の伝えるところによれば、
12月24日はイエズス・キリストの生まれ給う日であり、いわゆるクリスマスイブである。

そんなことはおかまいナシに、畏友I君は野毛の若竹に付き合ってくれ、なおかつその後、FF、新山下のALCと嫌な顔一つせずに付き合ってくれた。

これは徳のしからしむるところ、大いに諒とせねばならぬ。

この後である。

畏友と別れた後、小生は下町に出掛けた。
まず、元町のen。どうでもいい店なのだが、カップルが2組、それなりにイブの夜を楽しんでござった。次に曙町のアポロ。ここは手強い。

どうでもいいんだけど、ハンバーグピザなるものを注文した。
ピザの生地の真ん中にハンバーグが鎮座しているのである。
異形というよりほかにあるまい。

チキンバスケットはまず、尋常だが、ナポリタンはこれまた尋常ならず、昭和30年代の味である。
かような店に出会って、どう対処したらいいのか、思考停止のほかはない。

ともかくホウホウの体で自宅に逃げ帰った次第。

どうでもいいけど、メリークリスマス、である。
posted by 曲月斎 at 03:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月22日

大銀杏。

tree1.jpgふと思い出す光景である。

藤枝市瀬戸谷。

小さな谷あいの集落にある大銀杏の木。
少しでも街の衆に注目して欲しい、という願いから、ライトアップを続けている。

この写真は2年前の冬のもの。
たぶん、今年もやっているはずだ。



ふと思い出してしまった。この集落の数軒しかない家々が力を合わせてやっているイベント。何か心まであったかくなるような光景だった。辺りはとても寒かったけど。
posted by 曲月斎 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

偶感。

東横線にひさしぶりに乗った。

渋谷駅ももうすぐ地下鉄副都心線に乗り入れるようになると聞くから、この駅ももうすぐ姿を変えるのだろう。

渋谷駅.jpg独特の蒲鉾型の屋根が連なるこのホーム。4本の線路が入り込んできているのだが、確かにいささか古風の感は否めない。

東横線にのってそのまま横浜のみなとみらいへ。
クイーンズモールに出て、そのままランドマークの下を突っ切り、動く歩道で桜木町へ。

途中、何人かが三脚を立てて日本丸の夜景を撮ってござった。

こちらはたまたま肩に提げていたカメラ。手持ちでささっと撮ったので多少ぶれているのはご容赦。
日本丸.jpg遠目の美人、ってところですかな。

今日は雨、明日の午前中まで残るらしいが。
posted by 曲月斎 at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「闇を横切れ」

闇を横切れ [DVD] / 川口浩, 山村聰, 叶順子, 滝沢修, 高松英郎 (出演); 増村保造 (監督)新聞記者が格好良かった時代の活劇ものです。

ただの活劇になっていないのがこの1編の妙味というべきか。増村保造という監督の趣味なのか、どうもブルーフィルムの匂いがします。

あらすじとしては九州の田舎町(イメージとして今は北九州市になっている八幡か、戸畑、若松って感じかなぁ)の市長選からみの話が縦糸。保守系の現職市長は街の顔役と表裏一体、自治組織はもちろん、警察までもが顔役の影響下にある現状。今回の市長選では革新派が立候補するが、その候補がラブホテルでストリッパーと情死騒ぎを起こすことから話が始まる。情死はありえない状況、事件に絡んだ目撃者や証言者が次々と怪死し、真相は闇の中に。それを追及するのが若い記者。追えば王ほど肝心なところで話が切れていく。で、最後にその情報が次々と漏れていた本当の黒幕は、というところで話は終わるのであります。

今となってはありえないし、個人情報保護法やその他諸法令のみならず、各新聞社の職業倫理規定に基づき、かような無頼な事は許されるはずもなく、かつての「事件記者」の乗りなのですが、この映画の一番面白いのは、「時平の七笑」のような実悪の存在を見せたことです。実にいい人が実は一番悪い人、という幕切れ、もう少し切れ味が良ければ今も評価されうる1編になった気がします。でもそれは当時とすれば精いっぱいのことかも。

タダの勧善懲悪ではない、今も変わらぬ新聞社の姿の一端を見せてくれているというべきか。

そもそもは、大昔にテレビ東京かどこかの深夜映画で見て、気になっていたんですけど、やっと再会することができた、という感じの作品です。よくDVD化されていたもんだと思うくらい。

これで1980円ならまあ、お値打ちでしょう。
posted by 曲月斎 at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月20日

惜別 鶴橋味楽。

日本橋、、というよりも、千日前の相合橋筋から坂町に入ったところの焼き肉店、「鶴橋味楽」のおいしさは常々、広く宣伝していたことである。

先途、行こうと思って電話したら、不通になってしまっていた。
気になってあれこれしらべてみたら、とうとう、閉店して事実が明らかになった。2010-05-28T22_26_30-a473e.jpg2010-05-28T22_26_31-4ac15.jpg今年の5月末で締めちゃっていたのである。

この前行ったのが去年の秋。まだおっさんもお母ちゃんも元気だったのに。身に何かなければいいんだけど。あそこの焼き肉、といえば何を置いてもまず、豊富なメニュー。
4060711.jpg何でもありましたな。今では消えてしまった牛の脳ってのも豆腐みたいでおいしかった。あと断ちキモ。これは膵臓でした。
4060708.jpgこんなカウンターに座って待つことしばし、4060734.jpgなお皿がでてきて、さらに、4060741.jpgという味噌諸味だれが出てくるのであります。こんなことになるのなら、作り方をおばちゃんに聞いておけばよかった。幻の味になってしまった。
もちろん、4060737.jpgユッケもいいし、、4060733.jpgナムルもいい。ホントにいい店だったのに。悔しい。もし縁故の方、このページをご覧になっていたら、ぜひ、コメントを付けて下さい。連絡先知らせますから。
4060707.jpg夕闇の迫るころ、この辺りは桃色一色になるのであります。でも、ここの焼き肉屋だけが異彩を放つ、そんな我が青春の坂町でした。
posted by 曲月斎 at 02:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 美食飽食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月19日

「眼鏡市場」

近所に眼鏡市場ができた。

ここはフレーム+レンズで18900円。遠近両用も可、ということで、眼鏡を消費財として考えるなら安い。

ただ、この7月に作ったメガネは失敗だった。レンズのサイズが小さすぎた。
今はヨンさまブーム以降の傾向でレンズの玉が小さい。
細身のフレームばかりが目につく。
ちなみにフレームについている数字はレンズの幅らしい。
夏作ったのは55。つまり5センチ5ミリ。
それでも一番大きいものだった。

それ以前のは64。比較にならない。
結局、満足できずに、以前のものをかけていたのだが、店を覗いてみるとあるではないですか。
62サイズが。

大きいことはいいことだ、とばかり、注文したのであります。

ただ、世の中には小生と同じような悩みを抱える方はいるようで、Web上で大きな眼鏡を売りにしている店が何軒もあるのを見付けました。
レンズを大きくすると、縁に近い方のゆがみが大きくなることも。

ともかく、レンズの大きさを大きくしたいばかりに眼鏡を替えたのであります。

ただ。
気がつかなかったのだけども、手元を見るために、つい眼鏡をずり上げるクセがついていました。
字が細かいともう遠近両用でも追いつきません。
フレームを持ち上げてしまう方が早い。
そんなクセです。

気がつかなかったけど、そんなモノかも知れません。クセなんて。

ということでまた、老眼鏡が1個増えたのでありました。
posted by 曲月斎 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「のぼうの城」

のぼうの城 上 (小学館文庫) [文庫] / 和田 竜 (著); 小学館 (刊)
単行本で評判が良かったので読みたいなと思いつつ、文庫になるのを待っていた本。
宮崎に行った時に平積みになっていたので買ってしまった。
のぼうの城 下 (小学館文庫) [文庫] / 和田 竜 (著); 小学館 (刊)本のプロット自体は武州・忍城の水攻めの話であります。石田三成が大将でせめて、結局は落城させられなかった、ということ。

それをどう描くかなのでありますが、正直に言うと文体が好きにはなれなかった。というのは大仰だから。モノを書くのに、大仰に書くのと、端正に書くのとがあると思うのですが、個人的には後者が好き。描写がハナに付きだすとたまらぬのであります。

まだ「へうげもの」のマンガの方がすっきりしていて、要点を得ている気がする。その他大勢の1冊でした。ところで、この本、映画化するらしいけど、主役が野村萬斎だったよな? およそイメージと合わないキャスティング。さて本編の出来栄えや如何に。
posted by 曲月斎 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「占領下の日本」

写真で読む昭和史 占領下の日本 (日経プレミアシリーズ) [新書] / 水島 吉隆 (著); 太平洋戦争研究会 (編集); 日本経済新聞出版社 (刊)写真集好きというのは、自分の中で振り返ってみると、岩波写真文庫に行き着く気がします。

名取洋之助が時代を切り取ることに精魂込めたこのシリーズで、1葉の写真が物語るものの大きさを思い知った訳ですが、逆に写真があると理解がはるかに進むということもあるわけです。

このシリーズは「太平洋戦争」編も読んだ訳ですが、今回のもその延長。世界でも稀有の占領統治が成功した例でありましょう。そんな時代の空気を切り取った写真が何枚か並びます。

A級戦犯28人のカオ写真が並んでいるだけでも今となっては珍しい。闇市、木炭バス、皇居の内堀で鮒釣りに興じる少年、三越のストライキ、などなど。何か今よりも不自由な生活ながら、自由を満喫している空気を感じるのは僻目だろうか。

全体とすればいい子ぶった本だけども、何葉か、ハッとするような写真があったのでまあ可。
posted by 曲月斎 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「はとバス六〇年」

「はとバス」六〇年――昭和、平成の東京を走る(祥伝社新書208) [新書] / 中野 晴行 (著); 祥伝社 (刊)はとバスのお世話になったのは……。思い出してもそんなに回数がある訳ではないけど、たとえば国技館の2階席、ズラズラっとご一行様が現れる姿や、歌舞伎座の3階席で突然出現する団体、なんて記憶に形が残ります。

そう、原節子の「東京物語」でも養父母を乗せての東京見物、あれははとバスでしょう。

遊覧バスというのは、ある意味で時代の要求を反映するものであって、かつてのように上野の西郷さんの銅像、皇居前広場、東京タワーという時代認識ははるかに古いものであることを思います。

この会社が次々と時代の要望の熱を受けて、おいらんショーであったり、ニューハーフショーであったり、キャバレーであったり、一見では行きにくい場所にも連れて行ってくれる、そんな夢を売る会社であることを再認識しました。そして日本人が追い掛けてきたその欲求の多彩さも。

東京の観光バス会社という視座から見た、一箇の立派な日本近代史、といってもいい1冊です。
posted by 曲月斎 at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ローカルバスの終点へ」

ローカルバスの終点へ (洋泉社新書y) [新書] / 宮脇 俊三 (著); 洋泉社 (刊)この人の旅行記のおもしろさは、情景描写が適切簡潔であること、かつ雰囲気を彷彿させること、人との絡みがあること−−−などに尽きると思います。
この本もその例にもれず、興味津々の連続。

するすると書き進めているようですが、実は仕掛けがよくできています。
無駄なところは省き、興味を惹きそうなところは筆を割き、締めくくりをストンと落とす。実に簡潔です。

この本のおかげで、というか、所為で、積丹半島の南側に行ってみたくなったり、下北半島の先に行ってみたくなったり、山あいの温泉にいきたくなったり。
実に罪深い本であります。

元々は雑誌「旅」の連載だったそうですが、実に脂ののりきったころの作ではないでしょうかね。それと各章の巻末に今の様子が付記されているのです。まず、基礎自治体の規模が平成の大合併で大きくなってしまったというか、田舎は飲み込まれてしまったということがよく分かる。そして、経営的には成り立ち得なくなったバスが、町民バス或いは市民バスということで、公営のバスに切り替わっていることが多い、あるいは切り捨てられたところも多いというのは実に悲しいことです。

行政の網の目が粗くなる一方、自家用車は通じているとはいえ、交通弱者と言われる人々の姿が、この1冊の本の向こう側に透けて見える。単なる旅行記に収まらぬ味がこの本にはあります。
posted by 曲月斎 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「山口組概論」

山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか (ちくま新書) [新書] / 猪野 健治 (著); 筑摩書房 (刊)今、警視庁が血道を上げてその組織の壊滅を目指している折も折、建前だけではなく、その由来沿革から説き起こしている1冊です。山口組入門、といってもいい。

神戸港の港湾荷役を請け負うことを生業としながら、その一方で権益を確保していく。そんな組織のありようがよく分かります。今でこそ、業界と堅気の区別がついているように見えていますが、その境目は実にあいまいであることも。

そしてその淵源は筑豊炭鉱の遠賀川から洞海湾にかけての荷役業にあり、それが神戸に移り、全国に波及していったという指摘はすこぶる日本の産業の発展と表裏一体であったことを物語ります。何しろ、日本で唯一の製鉄所があったのは八幡なんですから。そして横浜も原田港湾や藤木企業がその黎明期には山口組とも関係があったこと、そして今でも、暴力団としての面と、なにがしかの生業を持つ面との両面で成り立っていることも、興味深いものがあります。

今の時点で判断をしようとすると見間違うことも多いのが事実。一つの歴史的な発展の姿を提示してくれる1冊です。
posted by 曲月斎 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「速記者たちの国会秘録」

速記者たちの国会秘録 (新潮新書) [新書] / 菊地 正憲 (著); 新潮社 (刊)題名は仰々しいけど、ようは衆参両院の速記者の聞き書き集。
速記録というのは議会の記録として欠かせないものでありますが、すでにその職人の募集は停止しているよし。というのは録音がこれだけ簡便になり、そのテープ起こしすら、ソフトの音声変換で可能になりうる時代ですから、そういうのも仕方ありますまい。

でも、その議事に立ち会った人間しか分からないことはあるもんで、「秘録」というよりも、その職人の思い出話を読むつもりで読めば、非常に興味深いものです。

聞けないものは書けない、つまり、言葉として認知していないものは筆記できないというのは、なるほどと思います。最近の歌の題名など、全く認知していないので、メモをしていても分からないことが多々あります。それと同じでありましょう。

秘録というのは、たぶん、極東軍事裁判の判決文作成でインドのパル判事の判決文作成に衆院の職員がかかわっていたこと、吉田首相のバカヤロウ解散は、速記者が残していたメモが議事録から削除されたにもかかわらず記録として残っていたのが契機となったこと、などでしょうか。

消えて行く職業の点鬼簿、として面白かったですなあ。
posted by 曲月斎 at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「写真 日露戦争」

写真 日露戦争 (ちくま学芸文庫) [文庫] / 小沢 健志 (編集); 筑摩書房 (刊)日露戦争の認識って、結構あやふやなものではないか。

今、流行のドラマの尻馬に乗る訳ではないだろうけど、このごろ、あの時代を取り扱った本が山のように出ている。

そんな中で、この1冊は実に興味深い。

いわゆる戦時写真集、である。

当時の第1軍が仁川に上陸して、鴨緑江を渡河し、沙河の会戦をし、同時に旅順を攻略し、黒溝台の会戦からにらみ合って最後は奉天会戦に至るまでの各派遣軍別の写真が並び、海軍編も同じように時系列で写真が並ぶ。

特に印象深いのは旅順を攻めた第3軍の写真。ロシア側の要塞がどんなところだったのかというのは、ちょっと想像の外、だった。
あと、水雷艇の大きさ。中に写る人影からして、伝馬船の毛が生えた程度にしか見えないサイズだ。

それと、奉天会戦後の2元帥6将軍の写真や、旅順での東郷&乃木の写真など、実に表情を見ているだけでも興味深い。前にも書いたけど、カオ写真というのは実にその人柄を物語る気がする。中で写っている山県有朋の小人物そうな表情など、そう見てしまうのは僻目ではあるまい。
posted by 曲月斎 at 05:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月15日

職場の忘年会。

職場の忘年会でした。@熱海。

昭和の遺風かと思うのだけど、きちんと泊まりがけ。
ただ、世間を憚ってなのか、会社名を出すことはなく、ごくひっそりと。
女性も参加するので、一昔まえのようなコンパニオンさんも芸者さんもなし。

ただ、全員参加のクジ引きが吉例にて、去年まではドンキホーテやら、東急ハンズの見本市みたいな賞品が多かったのだけど、今年は商品券系が多かったですな。ま、これも幹事の才覚です。

泊まろうかとも思ったのですが、この1年、自宅以外で泊まる日々が多かったこともあって、自宅に戻ってきました。

帰りの東海道線。熱海から小田原まで実にこまごまと駅が続くものよ、とちょと吃驚。
ドテッとしたかったのでグリーン車を奮発。そうしたら、女性の車掌役とその護衛のおぢさんが実に出たり入ったり。2人がずれたタイミングでこれを繰り返し、しかも慇懃に一礼するものだから、いささか煩わしくなりましたな。

昔の車掌さんは格好よかったねえ。

それより、新幹線に乗っているより結構楽しかった。こんな経験もまた収穫。
posted by 曲月斎 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月13日

GSがない……。

所用で千葉の市原まで出掛けた。

ヨコハマからはアクアラインを超えればすぐ、である。
だが。

市原ICを下りてから現場に行くまでに、GSくらいあるだろうと思っていた。
でも行けども行けどもない。

山あいの現場にたどり着いたら、久々に点灯しました。ガソリン切れ間近のサイン。
日曜日だし、夕方になると閉店してしまうGSが多い。

カーナビで近所のGSを検索。一応電話をしてみると
「ああ、そうですけど。もうスタンドは5年前に止めました」
「もうスタンドはやっていないんですよ」

数日前に、岐阜の山奥の村で、集落に1軒だったGSが閉鎖となり、自主営業をするという話を放映していたけど、実は首都圏でもその傾向は例外ではなかったんですな。

冷や冷やしながら、教えてもらったGSに行って満タンに。

前回、この警告灯がついたのは、静岡は相良の茶畑の真ん中だったけど、人家があるだけ気安かったというか……。

でも振り返ってみると自宅の近所でもGSは次々と廃業しています。小港の2軒、谷戸橋の1軒、麦田も1軒……。千葉の田舎と嗤うなかれ、ヨコハマの中心地でも意外やGSはないもんです。

商売が難しくなっているのでしょうけどね。意外な落とし穴、でした。

ちなみに財団法人日本エネルギー経済研究所石油センターというお役所の調べでは、
GSのスタンドの経営者は50〜60歳代が中心で、うち約5割は「経営を譲る気はない」そうであります。もちろん理由は「給油所経営に展望が開けないから」だそうで、JA系を主に「後継者がいないから」という理由もあるそうであります。その詳細な報告書はこちらから。経産省官僚の有能さを示すような内容であります。
posted by 曲月斎 at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする