2010年05月29日

アレロパシーとコンパニオンプランツ

ホウノキの話を書こうと思って、インターネットを検索していたら「アレロパシー」という言葉にぶつかった。

邦訳は「多感作用」という。ギリシャ語のallelon(互いに)とpathos(一方が他に障害を与える)を合成した合成語だそうだ。

マツやソバ、ニセアカシアなどの植物に見られる現象で、根や幹から他の植物の生育を阻害するような物質を出しており、そのため、根元周りにほかの植物が生えない現象をいうそうだ。

サクラにもあるそうで、確かに松林やサクラ並木はあまり他の木は生えていない。一時、空き地に繁茂したセイタカアワダチソウにもあるそうだ。

逆に、コンパニオンプランツの方は近傍に栽培するとお互いに生長にいい影響を与え合い、共栄する組み合わせを言う。バジルにトマト、ウリ科にネギ、ニンニクという組み合わせがあるそうな。

さて。人生多感なるがゆえに、人間関係にも当てはまるような話に思えてきた。

自分は……。
やはりアレロパシーが強いと認めざるを得ないのかなぁ。
posted by 曲月斎 at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ホウノキ

ホウノキ.jpg出張先の埼玉の現場で見かけた。何の木だかおわかりだろうか。

「ホウノキ」である。
葉っぱはおなじみかも知れない。「朴葉味噌」「朴葉巻き」のホウである。あるいは「朴歯下駄」のホウである。

モクレン科の落葉高木で、高さは20メートル、幹は1メートルにもなるという。版画の版木の材料としてよく売っているので、その手触りは思い出があるかも知れない。

小生はちょっと違って、実家の庭にあるのである。
街の真ん中、ネコの額ほどしかない庭なのに、なぜかホウノキがある。以前は茂るに任せていたが、最近は手入れを頼む植木屋さんにすっかり切り倒されて昔の面影はない。

この白い花、独特の芳香がある。初夏の匂いだ。

久しぶりにホウの花を見て、何かうれしくなってしまった。
posted by 曲月斎 at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月28日

知命の同窓会。

明日は同窓会の予定。

でも、欠席することにした。
出張で埼玉まできている。
足の便を考え、横浜線を終点まで往復である。
翌朝の仕事を考えると、横浜まで往復するのはしんどい。
残念である。

中学、高校と6年間を過ごした校舎も、来年には建て替えの予定だそうだ。建設当時はドイツのバウハウスの影響も残るように見えるこの校舎、考えて見れば壁は校庭側にはなく、前面窓、という作りで、耐震性には大いに問題があったのかもしれないけど、カマボコ板と窓枠を積み重ねて作ったような形はモダンだったに相違ない。

そんな校舎での同窓会だ。

幹事役の同級生、名簿作りからとあって大変だったと思う。慶応のように一致結束よろしきを得る学校とは違い、もともと帰属意識の薄い校風だから。
ともあれ、盛会を祈るばかりだ。

で、同窓会というと必ず思い出すのが春風亭小朝が若いころに書いた随筆の一文。
要旨は。
小朝がまだ新弟子だったころ、師匠の春風亭柳朝の同窓会のお供をした話だ。出世しているように見えるヤツもいれば、そうでもないヤツもいる。でもその風采の上がらないように見える師匠の同級生との話。師匠が「コイツ、小朝っていうの。ひいきにしてやってね」と言うと、「修業はつらいだろうけど、頑張りなさい」と言ってなにがしかのおひねりをくれた、という。おひねりの額を師匠に報告すると「あいつも気を遣ってくれたなぁ。こんな年になると、同窓会に出てくるヤツっていうのはどうにか成ったヤツしか出てこれねえもんなんだ」とつぶやいた、というのである。

もちろん、同窓会。どんなになっても同窓だし、50分の6(ま、25分の3、ざっと馴らして8分の1)の時間、特に多感な時期に同じ教育を受けたわけで(それが予備校と言われようとも)、価値観のある部分はその影響下にあることは否めない(北朝鮮や戦前の日本を見よ)。

どんな話がでるんだろう。
齢五十。確実に人生の折り返し点は過ぎているのだから。
posted by 曲月斎 at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「哲学的落語家」/別に本を読んでいない訳じゃないけど……


哲学的落語家!

哲学的落語家!

  • 作者: 平岡 正明
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/09/23
  • メディア: 単行本



別に本を読んでいない訳じゃない。

でも、この本を読んでいてなかなか前に進まないのだ。

以前、文庫本でこの人、面白いと思って。この前の名古屋出張の時に、旅先で読む本がなくなって、わざわざ豊田から名古屋まで足を伸ばして、栄の丸善で入手。読み始めているのだが。

自分の知識を総動員して連想ゲームのようにつづっていく文体なので、非常に読み飛ばしにくい。でも、その連想や発想が結構、的を射ているように感じるので、この人の思考回路に追走してしまう。

前回、読み終えたところに栞を挟んでいるのだが、その少し前から読み返さないと、文章や発想のリズムに乗れない。そんな繰り返しをしているのである。

ちなみにこの本。故桂枝雀の話から、夢野久作に飛び、浪曲に飛び、と七転八倒な世界なのである。でもそれが荒唐無稽に見えない、その面白さ。しばし身を委ねることにする。
posted by 曲月斎 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

@入間/ベッドタウン

きょうから入間。

西武線沿線。

きょうから4泊だ。
ぐるなび、とかを見ても、ピンと来る店がない。
飯を食うところがない。
当たり前の話で、ここは自宅のある街だから。
あえて外食する必要性がないのだから

一か八か、駅前で探すつもりでタクシーを呼ぶ。
古典的な手法だが、運転手さんに聞く。
「飲み屋さんでよければ……」と教えてくれたのがろばた焼長州という店。いわゆるチェーン店ではないというだけで加点である。

ということで、入ってみると、なかなかだった。
まず「めごち」の天ぷらがあった。メゴチは下ごしらえが面倒な魚。きちんと置いているところがエライ。名物は里芋のから揚げ。たぶん下煮した芋をから揚げしたのだけど、これはこれで珍味。

聞けば、「土曜は込みますから」と言われた。何とか夜飯を食う場所を見付けた感じ。
posted by 曲月斎 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月20日

@豊田???

豊田である。

だが、この街の位置は頭の中で???

所用があって名古屋に出かけた。
そも名古屋の繁華街・栄に行くとする。
主な経路は3つ。

Aichi_Loop_Line_Area_Map.png
1)名鉄豊田市駅〜名古屋市地下鉄・赤池駅〜同・伏見駅
ま、直通運転なので座ったままで約1時間。

2)名鉄豊田市駅〜名鉄知立駅〜名鉄・名古屋駅
東海道線周り、という感じ。

3)愛知環状鉄道・新豊田駅〜同・瀬戸市駅〜名鉄・瀬戸駅〜同・栄駅
こりゃ北回り、ってかんじ。

ということで、どの路線で行っても1時間余。

尾張と三河を結ぶルートということになるんだろうけど。結局、1のルートで行ったんだけど。名鉄の駅では、「赤池周りでも知立周りでもほぼ同じ時間ですから。発車する時間の早いほうにのってください」っていうんですけどね。さて本当のところは???

本当に分からん。
posted by 曲月斎 at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

「日本の15大同族企業」


日本の15大同族企業 (平凡社新書)

日本の15大同族企業 (平凡社新書)

  • 作者: 菊地 浩之
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 新書



別に15でなくてもいいし、官立に淵源をもつ企業は多かれ少なかれ同族企業ではあるのだけど、トヨタの豊田家、パナソニックの松下家、三洋電機の井植家、鹿島組の鹿島家、日本生命の弘世家、味の素の鈴木家、東急の五島家、西武の堤家、松坂屋の伊藤家、ブリヂストンの石橋家、武田製薬の武田家、大正製薬の上原家、出光の出光家、東洋工業の松田家などなど、錚々たる企業がその話題に並ぶ。

1社6ページほどなので、深く切り込んだ話にはならぬ難があるのだが、筆者も開き直っている通り、「広く浅く」がモットーの1冊。確かに類書はなく、こういう本も面白い。

どんなに独創的な創業者も老いれば血縁に頼る姿が浮かぶ。企業を支配するには株式を保有し、経営のトップに人材を送り込み続けるしかない。しかし、この2つながらを全うすることは実は難しいというのを、歴史が教えてくれる。創業家の社長が座っているトヨタなど逆に異例中の異例だろう。

各章に創業家の系図と、企業の系統図が載っている。実に親切。どこにも顔を出すのが住友銀行であり、旧財閥の三井、住友、岩崎、鴻池などの家であり、巧みに姻族でつながり合う、これらの家である。逆にもっとこういう本が出ると、日本株式会社を更生する企業の風土みたいなものが見えてくるし、階級社会ではないと言われる日本にあっても、厳然とそびえる階級の壁みたいなものを教えてくれる気がする。

先の15大財閥の本に続き、好著。入門書としてはすこぶるの3乗くらいにいい本だった。
posted by 曲月斎 at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

大相撲夏場所。

久しぶりに国技館に行った。

青山で手みやげを整え、半蔵門線で錦糸町へ。総武線で両国へ。

両国駅から建設中の東京スカイツリーが見えるのに驚く。

なじみの相撲茶屋に寄って挨拶。久々になる。なじみの1軒では大女将が元気な姿を見せてくれていたが、もう1軒では女将に変わってお嬢さんが帳場に座っていた。在京20軒ある御茶屋でも昔なじみの女将のカオがだいぶへった。こういうところも世代交代である。

用件を済ませて2階に上がると、ベランダからまた東京スカイツリー。どこからも見える。まだ完成時の半分くらいの高さだと聞くが、辺りにしてみれば圧するような存在。ちょっと鬱陶しくはないのだろうか。

相撲がはねた後、本所のもつ焼き屋に寄り、もう1軒はしごして錦糸町から帰宅。ふと、自分にとって相撲が遠いところで興行しているような感じがした。
posted by 曲月斎 at 22:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 知進知退 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月14日

1泊2日 和田浦の旅。

久々に和田浦に行った。

車が運転できるようになって、自分の自由な時間に動けるのがありがたい。何しろ和田浦辺りでは内房線は上下とも1時間に1本のペース。バスも館山、鴨川からそれぞれ1日8本くらい。公共交通機関の便は不自由だ。とはいえ、足繁く通うようになったかといえば、自由な時間をなかなか作り出せず、歯がゆい限り。で、この機会にと車を転がした。

まず和田へ着く前に、江見の昇龍に寄る。ここの挽き肉ソバが何ともうまい。師匠に教わった手法は白飯にこの挽き肉あんを載せるスタイルだったけど、チャーハンでやってみてもこれまた結構でありました。満足していざ和田へ。

用事があって旧町役場(現南房総市和田支所)に行く。役場の建物は取り壊し中なのか、改装中なのか。で、臨時の支所事務所に行くと、職員はほんの10人余。南房総市は千葉県の行政指導の下、館山市を取り囲む形で新市を作ったのだが、内房側に旧富山町、旧富浦町。外房側を白浜町、千倉町、丸山町、和田町。内陸に旧三芳村。結局、新市の市役所は旧富浦町役場にあり、新設合併とはいえ、一番東のハズレの旧和田町は見事に割を食った形だ。

旧和田町は元々、農業に漁業と1次産業と公共事業の町だが、それに加えてエリートの勤め先といえば、役場に農協、郵便局に国鉄という構図。その役場と農協が見事に脱落し、郵政も国鉄も民営化してどうなったかはご承知の通りだ。新市は新設合併とはいえ、合併特例法のゆがんだ手法のしわ寄せの見本みたいなものだ。詳しくは調べてないけど、ゴミ処理や火葬、水道、養護学校など、一部事務組合の整理も進んでいるとは思えない。

合併話はさておき、師匠の家に一晩お世話になった。ここに泊まるのはすくなくとも9年ぶりくらいかな。まだ先代の看板犬が健在だったころだから。2代目看板犬もめったに行かぬ小生のことを匂いで覚えていてくれるのが嬉しい。初めてこの家に伺ったあの頃、まだ中学生だった師匠のお嬢さんは今春から社会人だそうだ。時の経つのは早い。

それにしても東京から100キロ圏、でも時間の流れがまったく違うエリア。改めていい町だなあと思う。ただ、もしも自分が静岡での体験をもっと早くしていれば、全然違う視点でこの町の合併話を見ていただろうと思う。

自分がまだ「まれびと」だから暢気なことを言っているのだが、光ケーブルも未開通、地上波デジタルも山間部は×。いざ暮らすとなると、さまざま覚悟は必要なのはいうまでもない。
posted by 曲月斎 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 波涛千里 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月11日

イチローズモルト

若竹に出掛けた帰途、山下町の491ハウスに寄った。

バーテン氏が出してきたのが「イチローズモルト」の1本。
何でも東亜酒造という会社が趣味のようにモルトを製造。その後、社運が傾き、廃棄寸前にまで行ったモルト(モルトは蔵出し税である)を笹の川酒造が引き取る形で残し、それをその東亜酒造の創業家の末裔が製品化したのだという。

秩父で小規模の蒸留所を運営しているそうで、その筋では有名だそうな。

この日、出してくれたのは日英修好150周年記念か何かの記念ボトルで、味わいとすればまあカスクね、って感じ。

でもその筋では高い評価の蒸留所だそうな。

メーカー名が「ベンチャーウイスキー」。何とも怪しげな名前だが。
posted by 曲月斎 at 22:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「志ん生的 文楽的」


志ん生的、文楽的 (講談社文庫)

志ん生的、文楽的 (講談社文庫)

  • 作者: 平岡 正明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/03/12
  • メディア: 文庫



面白い本だった。
というのは筆者が自身の脳内に蓄積したありとあらゆる知識を連想で繫いでいく妙技のゆえに。

長年、舞台芸術というのはその藝が演じられた場に居てこそ、すべてを共有できるという前提があるものと思ってきた。つまり再現性を期待しきれない、その場の空気こそ至上であると考えてきた。
だが、平岡は残された音源を手がかりにこれだけ縦横無尽に話を展開する。あたかもジャズ評論家がライブの場に立ち会わず(居合わせず)とも、残された音源を頼りにセッションを評価するように。

もちろん、筆者の及ばないところはある。たとえば音源の残っていない終戦直後の大連での森繁久弥、圓生、志ん生のバレ噺セッション。でも筆者は満州放送協会の番組を探り、当時の記録を探りして、その場の空気がどんなであったか再現を試みる。もちろん、事実の描写ではないけれど、正鵠を射たものであろうとは思うことができる。

それと落語の中に含意する古典の蓄積、たとえば歌舞伎であったり、浄瑠璃であったり、清元、常磐津、富本、一中節、あるいは能、狂言まで連想する限りの藝の下敷きを探り、展開してみせる。その即興性はジャズに通じるものがあるのかもしれない。

筆者が一つひとつ提示するテーマを追い掛けるだけでも、読者はかなりのトレーニングになると思う。そして、こういう舞台芸術の評論もあるのかと改めて思った。

かつて新左翼系の論客として知られた筆者の力量に敬服。楽しかった。
posted by 曲月斎 at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

@横浜・八幡町 磯村屋

1230934.jpg八幡町、といってもピンと来る方は少ないだろう。横浜の地名としてはそうメジャーではない。

横浜橋商店街を抜け、三吉橋演芸場の脇の橋を渡ってまっすぐ山の方に向かう。坂を登り切れば平楽から増徳院の方へ抜ける道にでる。その山の下の集落が八幡町。中村町と唐沢、山谷、平楽に囲まれた谷あいにある。

その真ん中の通り沿いに目指す磯村屋はある。

名物は焼きそば。見ていると、蒸し麵を炒めてくれる。トッピングは3種類。肉、卵、ポテト。ソース味のほかにカレー味もあるようだ。
この日は初めてのことゆえ、3色の中盛りを頼んだ。

昔、よく駄菓子やのかたわらにあったあの味だ。ポテトがなぜか一緒にはいっているだが、この焼きそばには合っている。
磯村屋.bmpまだおでんが鍋にかかっていて、ちょっと美味そうだったけど、この日はすでに食事を済ませていたので、遠慮した。

先客2組もみな焼きそば。3色の大盛りで450円、中盛りで350円。おみやげも可、らしい。

縁日の焼きそばよりは上、でも中華料理屋のような体裁をつくろったところはない。個人的にはちょっと味が薄かったので卓上のソースを掛けて上々だった。

店主のおばちゃん、出前の米屋の配達のお兄さんにこう言ったモンだ。「はかが行かなくて悪いねえ。今、お父さんが入院していて。1人だもんだからはかがいかないんだよ」って。

詳しい店の口上は奥の壁に貼ってあるのでご一読を。店の隣にコインパーキングがあるので、車でいってもいい。

何がうまいのかといわれると困る店だ。でもうまいという分類に入る「ソース焼きそば」だった。

ふと八幡町に行ったのは2度目かなと思う。今から26年くらい前のこの位の季節ではなかったか。まだ今の商売の駆け出しのころに何か出来事があって行った記憶がある。でも何の出来事かはもう忘れた。思うにあのころからあの家並みは余り代わっていないような気がする。まるでヨコハマという街の中で、周囲の町とは違う時の流れがあるかのように。
posted by 曲月斎 at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 美食飽食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

「台湾鉄路と日本人」


台湾鉄路と日本人―線路に刻まれた日本の軌跡 (交通新聞社新書)

台湾鉄路と日本人―線路に刻まれた日本の軌跡 (交通新聞社新書)

  • 作者: 片倉 佳史
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2010/02
  • メディア: 新書



なぜか駅なかの本屋には鉄道関係の本をよく扱っている店がある。
新橋駅にあった新橋駅書店もそうだったし、桜木町駅のエキナカの本屋もそう。交通新聞社新書が置いてあるなんて。

で、台湾鉄道事情を回顧した1冊。
基隆から台北〜台中〜台南から高雄までの西海岸を通る幹線の建設逸話、それに産業の開発の要望もあって伸びていった支線の話。森林開発、鉱山開発、精糖業。

単なる回顧談に終わらず、結構緻密に現地取材をしてのルポになっているのが楽しい。

最後は台湾鉄道唱歌の紹介で終わっている。

ところで。
中に塩水港という港街が出てくる。製糖業で栄えた街だ。そういえば今でも塩水港精糖という会社があり、横浜の大黒に「さとうのふるさと」という看板を掲げている。元々大洋漁業(マルハ)系の会社だったが、今は三菱商事系に代わっているものの、その会長に納まっているのは元大洋球団の社長。何かうさんくさい総会屋とも付き合いのある、古い総務系のおっさんだと思っていたが、かつては「水産界の政治部長」と言われ、今は「精糖界のドン」と言われているそうな。確かに水産業も製糖業も農水省の保護の下に発展、商売をしてきた業界。何かそこに「巣くう」という感じがこの御仁には似合っている。

台湾の鉄道事情の本からとんでもない話を連想してしまった。ただ、台湾を植民地支配した時代は今も日本のあらゆるところにその姿をとどめているのだと思い、逆に台湾で今もそのインフラが活用されていることを幸いだと思う。いずれにせよ、筆者は鉄道マンであることの誇り、を高く評価しているが、その視点は大事にしたい部分だ。
posted by 曲月斎 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「脇役力」


脇役力<ワキヂカラ> (PHP新書)

脇役力<ワキヂカラ> (PHP新書)

  • 作者: 田口 壮
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/04/16
  • メディア: 新書



田口壮。懐かしい選手だ。

彼がプロ入りした時も見ているし、土井正三に陰湿でいじめのような矯正(指導ではない)に遭い、送球がおかしくなっていく姿を見ている。その後、仰木彬に見いだされ、中西太に打撃の手ほどきを受け、立ち直っていく姿も。左翼田口、中堅本西、右翼イチロー。ボクが今まで見た中で一番美しく軽妙華麗な外野陣だった。

そんな彼がカージナルスに行き、フィリーズに行き、カブスに行き。ベンチ25人目の選手として懸命に生きてきた話を、赤福のさらしあんみたいにしてしまった本。

田口の話は具体性があるから面白いのであって、抽象化したり、妙に一般社会の論理に昇華しようとするとつまらなくなる。確かにこの1冊は面白い。でも彼自身が書いていたブログに比すればちょっとビジネス書っぽくしたのが疵だ。

仰木彬、トニー・ラルーサ。いい監督の後ろ姿を見たと思う。僕自身の経験で言えば、近藤貞雄、仰木彬、この2人は有る意味で大きな存在である以上に。

お勧めするかといえば、ほぼ日刊イトイ新聞で掲載された2度の対談「野球のカミサマ、初球だけねらわせてください」「25番目のピース」の方が田口自身の話の持って行きようの軽妙さから、1冊の本よりも上であると思う。

今年はまた、古傷が再発したようだ。交流戦の時にでも会えたらいいなと思っていたけど。
posted by 曲月斎 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

@つくば 黄色い花粉の霞

オオクラ.bmp先週末は茨城だった。

仕事の現場が常磐道谷和原ICが最寄り。近くにホテルはなし。仕方なく「つくば市」に泊まる。

ホテルフロンティアオオクラだったかな。ともかく筑波エクスプレスの終点、つくば駅の前、というか上にあるホテルである。

夜に到着。辺りを見回すと何もない。
仕方なく知己に電話をして教えを請うと、「確か駅前の西武の6階にレストラン街があったと思う」とのこと。行ってみると人気のないフロアに飲食店が数軒。炉端焼きなら良かろうと入ってみるとこれが実に味気ない。何もないのである。何もここまで喰う必要性などかけらもない。

早々に退散したのであった。

この翌晩は仕方ないのでホテルの中華料理店を利用した。
ホテルの中華は高い、うまくはないの2条件が揃うのが必定。でも廻りに何もないのだから仕方ない。

ま、すごい店でしたな。面倒なのでコースを頼んだのですけど、矢継ぎ早に料理が次々と出てくると思えば、ぴたっと止まってしまい、間が持たない気分になったり。うーん。美味かったのは前菜の生クラゲだけかな。それも……。会計で2人で2万2千円だったかな。あの値段はないでしょ、って感じ。

で肝心の現場ですが。ほぼ真っ平ら。赤松が延々と生えているのですけど、この時季は花粉がすごい。遠くから見ると黄色い霞のようにたなびいて居るんですな。我が愛車で出掛けたのですけど、青い車がなぜか黄色の粉がふいているみたい。さすがに気持ち悪くて即洗車をしたのですが、また翌日も同じ。また洗車をしたのでした。

この前の新三田もそうでしたけど、街に匂いがないんですな。ああいう街に匂いのないところはどうも苦手。ただ、つくば市は中心の部分から5分も車を走らせると何もない農村の匂いはしましたけど。

筑波大の学生諸賢、偉いなと思う。
posted by 曲月斎 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月05日

「大番」再来


北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 上 (小学館文庫)

北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 上 (小学館文庫)

  • 作者: 獅子 文六
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: 文庫




北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 下 (小学館文庫)

北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 下 (小学館文庫)

  • 作者: 獅子 文六
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: 文庫



今でも、この本はいい本だと思っているけど、長く新潮文庫では品切れになったままだ。獅子文六、源氏鶏太、今東光など消え去っていった作家である。

それをなぜか、北方次郎が復刊の一助。詳しくは後書きをみてもらうことにして、ま、少しでも読めるようになったのは慶賀に堪えない。
posted by 曲月斎 at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月03日

上海万博と堺屋太一氏と老夜上海。

昨年秋、上海に仕事で出掛けた。

投宿したのは茂名南路の上海花園飯店。要はオークラである。
その道を挟んで筋向かいに有ったのが、錦江飯店。長楽路との交差点に面している。
その上層階にある「老夜上海」は24時間営業の上海料理店で、毎日お世話になった。cs06741_1.jpg

普通に食べれば200〜300元くらい、接待で600元というところだろうか。決してリーズナブルとはいいがたいが、オールドホテルの中の雰囲気も加味すれば仕方あるまい。

毎夜、紹興酒を1本開け、上海料理に舌鼓である。



cs06741_3.jpg

で、ある夜(というか最初に行った晩)のことだ。

隣の卓子に4人連れが入ってきた。もう夜も更けていたので、だれも廻りにはいない。よくよく見ると、作家の堺屋太一が入っていた。

どうも上海万博の事務局が大阪万博の仕掛け役の堺屋太一を招いて、何か会合を持ったらしい。cs06741_menutab_1_2.jpg

こちらは上海がにをほぐしたカクテル仕立ての前菜や、アスパラガスのスープ煮などをつつきながら杯を重ねていると、卓の向こうから日本語が聞こえてくる。
「大変かもしれんけど、やりとげたら、そらええですよ。ボクも経験したことやけど」
あの耳に覚えるのある大阪弁だ。
cs06741_5.jpg
「夜も遅いし軽いもんがええなあ」「それでは麵類にしますか」「そうやなあ」とかいう会話も聞こえ、結局氏は炒飯も食べている様子だった。氏はどんな有益な助言をしていたのだろう。ふと、興味深かった。

さてその万博。1日にいよいよ開幕したが、あの町中ひっくり返したような工事があちこちで進んでいる様はどうなったのだろう。浦東空港から旧市街までの道にあったあの工事現場はその後半年で世界の祭典の場になったのだろうか。聞けば、まだ一部の展示館は未完成だという。大会のテーマ曲に続き、キャラクターや中国館の意匠まで盗作疑惑が相次いでいるとも聞く。

あの70年大阪万博当時の日本のカオスを考えれば仕方のないことかもしれないし、それを通り抜けることで、何かが変わるのかも知れない。

それにしても老夜上海の上海料理はそこそこにうまかった。でも、中華街の萬来亭の方がずっと美味いと思う。

上海万博期間中、込んでいるので上海出身の同亭の女将は帰郷しないそうだ。
posted by 曲月斎 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角辻辻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

謎の構造物判明

先日、三菱重工横浜製作所にある謎の構造物について書いた。

親切な方があれは「ちきゅう」という名の大深度掘削船であることを教えてくれた。

早速探してみると
「人類史上初めてマントルや巨大地震発生域への大深度掘削を可能にする世界初のライザー式科学掘削船です。「ちきゅう」は、統合国際深海掘削計画(IODP)の主力船として地球探査を行っています」

ということだ。今は定期点検の為、ドック入りしているらしい。以前、ラジオでどこかの先生が地球の中、マントルまで掘り進める船を造っている話をしていたけど、あの船であったか、と判明。

ご協力に感謝。これでゆっくり眠れます。
posted by 曲月斎 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「志ん生的、文楽的」


志ん生的、文楽的 (講談社文庫)

志ん生的、文楽的 (講談社文庫)

  • 作者: 平岡 正明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/03/12
  • メディア: 文庫



名古屋に出掛けている間、ずっとこの本を枕辺に置いていた。
未だに読み終わらない。面白いのだけど。
何で読み終わらないかといえば、話がまるで会話をしているように次々と燎原のように発展するからで、とばし読みができないのである。
でも面白い。

読み終わったらまた。
posted by 曲月斎 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 積本抛讀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名古屋行。

先週末から名古屋だった。

PCの環境が整わず、アクセスしないままになってしまった。
余談はさておき、名古屋行でまず直行したのは天ぷらの光村。

ちょうど連休で臨時営業の日だったので、店は空いていたのを幸い、寿司屋で付け台に座ったように、ここの名物天ぷらをお好みで頼む。
まず時季の山菜。蕗の薹とタラの芽だった。新しょうが。ペコロス(小タマネギ)、レンコン。魚系に移って、キス、メゴチ、イカ、稚アユ……。どれもおいしい。。3442290.jpg
池波正太郎は「ケンカするように天ぷらは食べなくてはいけない」と書いているが、そんなことを言われなくてもこの店でお好みをやればその気分になる。最後に名物のかき揚げ丼。この日は海老の量1・5倍のスペシャルにしてもらう。1600円也。上々である。

2日続けていくと、さすがに今夜もという気分になれぬ。衰えたか。
本町通の山本屋本店に行く。

味噌煮込み饂飩の店である。
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たかが饂飩で、この店は2000円近くもとる。でも美味いと思ってきた。
最初に出てくる白菜とキュウリの漬物に紫タマネギのスライスがさっぱりしていてサラダ感覚でお代わり自由。実にこれが嬉しかったのだが、この日行ってみると、キュウリは少ししなびているし、白菜も申し訳程度、紫タマネギのスライスが消え、タクアンになっていた。これでは……と意気消沈しかかっているところに肝心の味噌煮込み饂飩である。
肝心の出汁の味が少し違う気がした。もっとコクがあったみたいな記憶だけど。饂飩も少しポキポキ感に欠ける。味噌煮込み饂飩はあのポキポキした感じがいいのに。

自分の舌が変わったのかと意気消沈である。勘定を払って外に出ようかと思ったけど、たくさんいる店員が誰1人気付かない。満足してないので食い逃げしてやろうかと思うくらい。店の中にキビキビ感がなくなっていたのは残念。

某日。栄の英吉利屋に行く。5月末で今の名古屋証券取引所脇の店から立ち退きだそうだ。もうマスターも年だし、立バーテンの相沢君はどうするのだろうと思っていたら、この日、マスターが新店舗を契約してきたそうな。まずは慶賀に堪えない。
相変わらず、マスターの講釈は健在で、ここに来ると当たるを幸いに講釈が始まる。それを小脇に聞きながら飲む。これがいい。
ということで、6月には新店舗に移転する。考えてみれば、この店はもう3カ所目になる。前の店もビルの老朽化で店立て、今度も再開発で店立て。大変なこった。

本当は2日夜に帰宅するはずが、仕事が長引いて延泊。
もう宿は引き払っている。仕方なく「旅の窓口」で大須のホテルを見付けて泊まる。フロント脇には「武生高校ご一行様歓迎」なんて看板も立っていて、朝チェックアウトの時にはなぜか、琉球舞踊のような派手な装束をまとったお姉さんたちが何人も前の貸し切りバスに乗り込んでいった。不思議な宿だ。

隣は大須観音。荷物をフロントに預け、帰宅前に参詣。相変わらず怪しげな一角である。
posted by 曲月斎 at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする