2010年03月31日

「作家の値段」


作家の値段 (講談社文庫)

作家の値段 (講談社文庫)

  • 作者: 出久根 達郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/03/12
  • メディア: 文庫



出久根さんの本は総じて、飽きることがないのだけど、この1冊は読み始めはともかく、中盤からダレました。
というのは基本的には古今の作家の古本の相場話に終始するからです。

もちろん、その合いの手に色々なエピソードが絡んでいるのはいうまでもありません。でも、基本的な骨法が同じだと、何編も読んでいると飽きてしまうのです。

古本、初版本、私家本。いろんな本があり、その本の帯の色一つで値段が大きく変わっていくというのは、興味深くもあります。でもそれは小さな玩物趣味の域を出ないような気がするのです。

それに。古本の世界では「蔵書印」は傷として扱われます。でも本が好きで、思い出が深ければ、何かを記しておきたいと思うのが人情です。傷となるのを承知で、傷を付けるのもまた、読書に親しむ者の業なのかもしれません。

あまり読後感は良くなかったです。
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2010年03月29日

歌舞伎座さよなら公演。

kabukiza201004b.jpg気が付けば4月で歌舞伎座は閉館、建て替えである。

仕事先から戻る途中、歌舞伎座の前を通りかかった。
4月は3部公演にて、1部が海老蔵ら若手主体のだんまり、吉右衛門の熊谷陣屋。2部が幸四郎の寺子屋に、菊五郎、団十郎、吉右衛門の三人吉三。3部が助六で団十郎に玉三郎。何れも見たい狂言ながら、強いて選べば3部かなぁ。

久しくあの玄関をくぐっていないが。思い返せば当代団十郎襲名興行で3カ月間、昼夜と通しで通ったこともあったし、今に語り伝えられる孝夫&玉三郎の助六も忘れがたい。あの時の意休は13代目仁左衛門が息子の初役ということで付き合っていたっけ。3代目実川延若のあの古風な顔立ちは何の狂言で見たのだったろう。food_photo_coffee1.jpgともかく我が青春の味、あの3階のカレーライスを名残に食べに行く機会を何とか作らなくては。

戸板康二や渡辺保のような見巧者でもなく、一介の物好きであれ。何か今感じておかなくては機会を逃すみたいな、感じが歌舞伎座にはありますな。小屋があるから芝居があるのではなく、芝居があるから小屋があるという論理ではあるにせよ、渡辺保が書いているように、あの歌舞伎座には息づいているものが潜んでいる気もする。

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2010年03月28日

伊勢佐木町七・水幸楼/サンマーメン

伊勢佐木町といえば、横浜の古い繁華街。1丁目から7丁目まで道は続く。

とはいえ、もう3丁目より先はちょっと寂しくなってきて、7丁目というと繁華街と言われた面影を探す方が難しくなるほど。根岸の旗やというランドマークみたいな店があるが、ちょうど昔は縁日でにぎわったという一六地蔵の真向かいにある。一六地蔵.jpg

そんな7丁目に「サンマーメン」のおいしい店があると教えられたのは1カ月ほど前か。機会があればと思っていたのだが、なかなか出掛ける機会はなく、この日、思い切って足を伸ばしてみた。一番の目的はTSUTAYAにDVDを返却にいくことだったのだが。どうせ2丁目まで行くのなら、少し足を伸ばしても、と思った次第。

目指す店は一六地蔵の右隣にある。水幸楼.jpg水幸楼という。
2間間口の普通の中華料理店だ。
よくある街の中華屋さんという感じ。

入るとテーブルが6卓ほど。噂のサンマーメンを頼む。
生馬麺.jpg待つことしばし、目の前に現れた。
ごく普通のサンマーメン。確かに、モヤシはしゃきしゃきとしているし、醬油味のスープも上々。麵も細くて好きなタイプだ。座っているとと、1人でフラッと入ってくるおばさんあり、アベックあり。頼むものがみんな650円のサンマーメンである。店の方も「サンマー1丁」とか調理場に声を掛けている。
実にサンマーの連呼である。
確かに懐かしい味で、当今の豚骨醬油とかとは無縁の、昔ながらのラーメンの味がして嬉しかった。

ま、モヤシを主体にニラや肉片を炒めたあんがかかっていることがサンマーメンの構成要件なのだが、啜っているうちにふとイメージが違うような気もしてきた。

個人的に振り返ってみると、サンマーメンは塩味だったような気がするのだ。Web上の由来書きを見ると、塩味もあるらしい。

本牧1丁目の商店街にある〈喜楽〉はどっちだったろう。
なにかサンマーメンとか、五目ソバとかのイメージが混濁してきているのかもしれない。
それをいうと、自分の中華料理の味の原型は、本牧1丁目の電停の前にあった〈山水閣〉という店の味なのかもしれない。
子供のころ、中華といえば山水閣だったんだっけ。

そんなことはさておき、伊勢佐木町5丁目にはサンマーメン発祥の店といわれる〈玉泉亭〉もあるそうな。
こんど味を確かめに行ってみなくてはなるまい(と急に池波風の文末)。
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2010年03月27日

「大名行列の秘密」


大名行列の秘密 (生活人新書)

大名行列の秘密 (生活人新書)

  • 作者: 安藤 優一郎
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/03/06
  • メディア: 新書



大名行列の経済効果と文化的作用を探った1冊。

考えてみたらば1年おきに全国の大名と呼ばれるひとは江戸と領国を行き来していた訳で、その街道筋は混雑をするであろうことは想像の難くない。まして、その終着点の江戸が大名行列で混雑するという視点はふーん、なるほどと思うしかない。

将軍家の上野寛永寺や芝増上寺の参詣の度に大名はそれに従う訳で、江戸の名物の一つに大名行列の偉装があったことはたぶん間違いないだろう。

それに自分の経験で大井川周辺に暮らしたことからいうと、参勤交代のもたらす経済効果は甚大で、あの地に今も文化的な余滴を残していると思う。今年の秋にある藤枝大祭、そして島田大祭はその一例だ。

そういう点を改めて指摘されるのは新鮮だった。
道中記や各藩の史料、手紙など地道に資料を読み解いており、好感がもてる1冊だった。

それと。神田の古本屋で「武鑑」を1冊、買ってこようかなと思うほどに面白かった。
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野毛・若竹/焼き鳥

1257170.jpg野毛小路にある焼き鳥屋さんである。

ちょうど噂のFFの真向かい。
この日はぜひに入ってみたいと出掛けていくと、まだ暖簾が出ていない。FFでフライを食べながら、様子をうかがっていると、暖簾も出ていない店に1人、2人と吸い込まれていく。

追い返される風もないので、勇を鼓して引き戸を開けてみると、すでに先客は5人。まだオヤジ殿は炭の準備をしているのに、である。

いきなり「お飲み物は?」と言われるので、お銚子を頼む。続けての質問は「皮は何本?」。2本頼む。ネットの知識ではつくねがうまそうだったので、つくねも2本。

オヤジどのがおもむろに炭の前に向かうと、焼き物が始まる。能面の三日月のような顔立ちのご主人。一心不乱に焼いていく。
「お客さんは初めて?」と問われたので「ああ、あとはお任せで」と頼むと、頼んだ4本の後は、レバ(これだけタレ)、ハツ、鳥葱、シイタケ肉、手羽先などなど、適当な間合いで焼き上げてくれる。

すでにFFで時間調整をした身、もう少し食べたかったのだが、腹がいうことを効かぬ。最後の仕上げに出てきた鶏のスープ、これが絶品だったのは忘れがたい。

ということで、横浜の焼き鳥番付編成を考えた場合、東の正横綱は曙町の千家で不動だが、急遽、この若竹を西の正横綱に自分の中では推挙することにした。美味い美味い。
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「村の写真集」


村の写真集 [DVD]

村の写真集 [DVD]

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • メディア: DVD



5本借りてきたDVDのシリーズ。「村の写真集
以前にさらっとみて、淡い色彩がきれいだったのを覚えていたもので。

あらすじはダムに沈むことになった村の家族の写真集を作ることになって村の写真館のオヤジ(藤竜也)が息子(海東健)といっしょに仕事をし、2人の間の対立が和解に向かうというストーリー。
よくあるパターンの話ではあるのだけど、それが四国は徳島、吉野川上流の村の景色の中に淡くとけ込んでいてなかなかの佳編なのである。テレビ局がスポンサーらしく、プロットが多すぎるのはちょと難点なのだけど、すべて阿讃の山並みの中の出来事、畑を耕して天に至るみたいな集落が点在するこの辺りの景物の中で見ると、情趣が深い。

藤竜也はいい芝居をする。息子と和解をした後の「テヘっ」という笑いがいい。圓生の照れた時の笑いにも似る。
そういえば、海東健って最近見ないなあと思ったら、俳優を廃業していたらしい。俳優の廃業っていうのもあるんですな。臭いけど、結構いい味の役者だと思っていたのだけど。NHKの朝の連続ドラマで脚光を浴びた男優ってのはダメなのかね。


家族の肖像

家族の肖像

  • 作者: 立木 義浩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1990/09
  • メディア: 大型本



この作品の裏には、絶対、この1冊のイメージがあると思う。
立木義浩の写真集だ。何のことはない、家族の集合写真を集めた1冊なのだけど、その集合写真の裏にある家族の思いがよく出ている。
今、めくってみるとすでに物故した人も多い。この家族はどうなったのだろうと思う。そう、小津安二郎の「東京物語」では家族の集合写真がその後の家族の変転の象徴として登場するけれど、その意味で家族の集合写真というのは、冷厳なものになるのかもしれない。


寺町三丁目十一番地 (福音館創作童話シリーズ)

寺町三丁目十一番地 (福音館創作童話シリーズ)

  • 作者: 渡辺 茂男
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 単行本



写真館、最近もう見掛けなくなってきた仕事だ。映画の中では乾板を入れたり出したりする大判のカメラをつかっていたけど、そのころの写真館一家の話をプロットにした童話。この1冊も忘れがたい。ガキのころに読んだ本だけど、妙に心に残る。
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2010年03月25日

「支庁」消ゆ。

支庁、って言っても、北海道の方以外は耳になじみが薄いかもしれない。

1871年の廃藩置県の後、府県の統合が進む中で、旧県庁所在地などに置かれた道府県の出先機関が「支庁」だ。後に「郡」という行政単位ができた時にほとんどは廃止されたが、北海道(と旧樺太、南洋諸島など)ではこの呼称が生き残った。

北海道で××郡といわれるよりも、××支庁と言われた方が何となくエリアが分かる。面積の広い北海道ならではのことだった。map_shicho.gif
この4月からそれも××総合振興局とか○○振興局に変わるそうだ。

ある意味で支庁という単位は北海道では旧国制と同じく、天然の山脈や川は境界になっており、地域を示す意味で住所表示のような感覚があったのだが。

CIMG1467.JPGこれは相撲協会の野見宿禰神社境内にある横綱代々の碑。富岡八幡のものが有名だが、ここにも横綱碑はある。よくよく見て頂くと分かるのだが、北海道出身の千代の山のところには「渡嶌」、吉葉山のところには「石狩」とこの支庁名が書いてある(ちなみに栃錦は隅田川以東、都下南葛飾郡の出身なので生国は「下総」。江戸っ子とは認めてない)。
もっとも、そのすぐ後、2基目になると、旧国や旧藩の表記はなくなり、CIMG1468.JPG玉ノ海からは都道府県の表記になる。この辺の変幻自在なのが、いかにも相撲協会らしいのだけど。

支庁っていう表記がこの世から消えると聞いて、この石碑を思い出した。もっともお役人の世界は別にして、天気予報などでは生き残っていくのだろうけど。
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「立ちそば大全」


立ちそば大全

立ちそば大全

  • 作者: 今 柊二
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2010/03/20
  • メディア: 文庫



サラリーマンの友、立ち食いそば。
藤枝に転勤して、これがないのに驚いた。
確かに街道沿いには自動車を置くスペース付きの立ち食い蕎麦屋があったけど。たまに妙に食べたくなっていた。

東京に戻った時、まず食べたのが新橋駅のポンヌッフの立ち食い蕎麦だった。ここはおばちゃんの愛想がいいのが味のうちだ。
午後4時から勤務のおばちゃんは特に仲良しなのだが。最近なかなか時間が合うこともない。

で、この本。立ち食い蕎麦道中記である。筆者の好みと自分の好みが微妙にずれているのは承知だったが、今回もやはりそうだった。確か香川の出身で、薄口醬油文化圏に育った方とがちがちの濃口醬油文化圏に育った者との差がある気がする。

取り上げている駅は東京近郊が中心。中で地下鉄丸の内線方南町の立ち食い蕎麦が気になっている。何かの番組で取り上げていたのだが、この本でも美味いそうな。わざわざ出掛けるのも酔狂だし、なかなか方南町に用事はないし。P1000041.jpg

ということで、今日も出勤の途上で新橋ポンヌッフの立ち食いソバをたぐるのであった。注文は好みのメンチカツソバ、かな。
posted by 曲月斎 at 13:18| Comment(1) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月24日

「華麗なる一族」


華麗なる一族 [DVD]

華麗なる一族 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



この前、TSUTAYAの「まとめて5本」セールで借りてきたうちの1本。
山崎豊子の原作云々はもう書き尽くされているから割愛。
結局、この映画も佐分利信なんだな。
佐分利信、山村聰っていう路線の役者が好きなのかも知れない。
この映画と1度目のテレビドラマ化はともに1974年。右端の2007年のTBS版が記憶に新しいところ。
映画を見直してみると、日本というよりも今の上海を連想する。
まだ神戸港が「扇港」と言われる呼び名がふさわしかった時代の話だ。

万俵大介・・・・佐分利 信→山村  聰→北大路欣也
万俵寧子・・・・月丘 夢路→久我 美子→原田美枝子
万俵鉄平・・・・仲代 達也→加山 雄三→木村 拓哉
万俵早苗・・・・山本 陽子→柏木由紀子→長谷川京子
万俵銀平・・・・目黒 祐樹→林  隆三→山本 耕一
万俵万樹子・・・中山 麻里→山口いずみ→山田  優
万俵二子・・・・酒井和歌子→島田 陽子→相武 紗季
美馬一子・・・・香川 京子→三ツ矢歌子→吹石一恵
美馬 中・・・・田宮 二郎→佐藤  慶→仲村トオル
高須相子・・・・京 マチ子→小川真由美→鈴木 京香
一之瀬四々彦・・北大路欣也→大和田伸也→成宮 寛貴

DVD2枚組。仲代達也の芝居ってのがどうも相性に合わない気がする。それと西村晃とか、小沢栄太郎、北沢彪、加藤嘉、中村伸郎、花沢徳衛……。ワキを固める俳優が個性的なのが楽しい。


華麗なる一族 DVD-BOX

華麗なる一族 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: DVD




さて、今度は機会があればこっちのバージョンも……。ない、ない。
posted by 曲月斎 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今年の茶の作柄。

机の前にぶら下がっている大きな日めくり。
島田の茶商、高森商店のものだ。

あのエリアでは「お茶商」という。農家が問屋を敬っての言葉遣いだろうか。何軒もある問屋の中で、藤枝に勤務していたときに見付けたピカ1の茶問屋だ。

牧ノ原台地の北端、静岡空港の北側に湯日(ゆい)という地区があり、その茶葉を主につかって製品を作っている。

この店の名前は知らなくても「魚がし銘茶」ならご存じの向きもあるかもしれぬ。この店の茶葉の卸先の一つだ。

安倍川上流の本山(ほんやま)茶、大井川上流の川根茶、天竜川上流の天竜茶など山あいのお茶や、牧ノ原台地のお茶、掛川辺りの小笠茶、藤枝辺りの藤枝茶などなど、静岡茶といっても個性がある。台地のお茶の多くは深蒸しになるのだけど、鮮やかな緑色と深い味わいは、日本でも一番だと思う。

茶商は各生産者が荒茶(摘んだ生の葉を一回蒸して精製したもの。まだ発酵を止めただけで半完成品)を吟味して、加工、ブレンドして製品に仕上げる。そのブレンドを合組(ごうぐみ)というが、茶商の腕が試される部分だ。

今年の作柄が気になって高森さんのところに電話をしたら、「今年は2月が寒くて3月になって暖かいし、雨が結構降っているのでデキがいいんじゃないかなと期待している」とのこと。島田辺りで露地ものの新茶が出来上がるのは4月中旬。
bista.jpg
今、新茶で出ているのはハウスものか、鹿児島の大規模茶園の製品だろう。新茶の若葉が芽吹いているあの茶畑(静岡ではちゃばら、という)が懐かしい。静岡弁ではあの葉のさまを「みるい」(フレッシュという意味と未熟という両様の意味があるのだけど)という。

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2010年03月23日

「ウンココロ」


ウンココロ ~しあわせウンコ生活のススメ

ウンココロ ~しあわせウンコ生活のススメ

  • 作者: 寄藤 文平
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2005/04/16
  • メディア: 単行本



食事をしている時に、下の話が出たら、それは盛会だった証しだというけど、思わずこの本をだれかにしたくなってしまう。

この作者は統計の数字をイラスト化するのが実に上手い。前に取り上げた「死にカタログ」でもそうだったのだけど、この本でも同じ手法を使っていて、ウンコの実態を考えさせてくれる。

本屋に行くと、健康関係の本の棚にあるけど、そういう領域ではない気がする。たとえば、日本人が日々排泄している量を合わせると7日で摩周湖が埋まってしまう量であるとか、1畳の広さに積み上げると1500メートルにもなるとか、実は日本の米の生産量よりも糞の生産量?の方が多いとか。

もちろん、ウンコの状態と体内がどういうコンディションになっているかということは表裏一体ですよ、という後半部分の話も面白くて、口から肛門までの工場に見立てのイラストが実に上手い。
ウンコのカラーチャートはさておき、こういう視点をすると物事は理解しやすくなるというのがよく分かります。
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「獄門島」

141-1560.jpg昨晩はTSUTAYAに出掛けた。
今、5本で1000だそうだ。で借りてきた1本が「獄門島」

市川コン監督の作品である。言わずと知れた横溝正史ものである。主演は石坂浩二。

娯楽作らしく、最初に登場人物の説明場面が続いて、話が展開する。今みても間然とするところのない作品だ。ワキを固める佐分利信、東野栄次郎、大滝秀治といい役者がそろっているなぁと思うことしきり。

あと、太地喜和子のせりふ回しで杉村春子を連想させるような場面がいくつかあったのが驚き。

「季違いじゃがしょうがない」は佐分利信だから言える一言だなぁ。
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ひつじ ひつじ

知人に教えてもらった画像です。
ホントにこういうことを真剣にやるから、おもしろい。

やはり遊びは真剣にやらないと。

それと……。恐るべし三星電子、ってところでしょうかね。
posted by 曲月斎 at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「四国八十八札所」


四国八十八札所―歴史の旅 (1972年)

四国八十八札所―歴史の旅 (1972年)

  • 作者: 瀬戸内海放送株式会社
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 1972
  • メディア: −



家に帰ったら古い本が出てきた。
今、読み返しても、懐かしい本だ。
まだ世間で四国八十八カ所などというものが一般的に認知されていなかった時代に、瀬戸内海放送が5分ほどの紹介番組を作った。
語りは宇野重吉。
訥々とした語り口調が四国巡礼に合っているように思えた。
世は大阪万博に浮かれていた、高度成長期と呼ばれたそんな時期の企画です。
あえて滋味のある番組を、と願ったスタッフの作った、手作り感あふれる番組を思い出させてくれる1冊。
昨今の札所からは失われてしまった情緒とか風情が伝わってくる。
posted by 曲月斎 at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

鹿児島であった。/こむらさき

rmn00370_r0_2009111800102740.jpgきょうは帰任日。
昼過ぎの飛行機で帰るので、朝はゆっくりだった。
荷造りをして、鹿児島中央駅近辺で土産物を買う。
鹿児島土産?

軽羹(かるかん)と薩摩揚げ、かな。
軽羹は饅頭になっていない方。今回は叔母が入院しているので、そのお見舞い用も買う。あっさりした口当たりと味が見舞いにはちょうどいいと思うので。

昨夜、天文館で「日曜の夜なのに何でこの街はこんなににぎわっているのだろう」としばし不思議だったが、考えてみれば世間は連休。にぎわっていても不思議はなかったのであった。

で、その後。東口側の駅ビルの地下に「こむらさき」という店があると聞きいってみる。

いわゆる鹿児島ラーメンの元祖の一つとも言われる店らしい。
キャベツの千切り、カリカリに成りかかったチャーシューに塩味に近い味わいのスープ。確かにおいしかった。前夜ののり一よりはうまみ分が濃い感じはあるが、それにしてもさっぱりしている。

食べた人なら分かると思うけど、中華粥の出汁の部分に塩を入れたらこんな味かな、思う。ここでもご飯を半分だけもらって汁掛け飯に。50円だけど「半分だからいいよ」とおまけしてもらいました。

満足満足。
posted by 曲月斎 at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鹿児島である。/のり一

2883961.jpg鹿児島で一番うまかったものといえば、このラーメンにトドメを刺すかも知れない。

味はあっさりとした塩味。淡い味なのだけど、実にこくがある。なんといったものか、雑炊の出汁みたいな味というか。

店のメニューは2種類だけ。「大500円、中400円」である。ほかには飯が100円、おにぎりが50円、ゆで卵が50円。卵かけご飯が200円。以上である。

先に書き込んだ仕事先の知り合い、Sさんに教わった。「のり一のあの汁を飯に掛けてたべてみたいなあ」とSさんは話していたけど、本当においしかった。

ちゃんぽん麵のようなやや太めの麵で、ラーメンの上には生のもやしと薄切りのチャーシューが2枚。するするっと食べておいしい。
こういうのが好きだな。

日曜が定休のはずだけど、21日の夜は営業していました。ダメもと半分で尋ねていってみた甲斐がありました。
のり一の場所は高見馬場電停下車。二官橋通りを東に向かい露地を左に折れたところにあります。
posted by 曲月斎 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月20日

鹿児島である。/いちにぃさん

鹿児島といえば、前回訪れた時には、薩摩料理くらいしか名物がなかったような記憶があるけど、今は違う。

はやりは「豚しゃぶ」らしい。
鹿児島→黒豚→しゃぶしゃぶ
という三段論法である。

お湯でしゃぶしゃぶするのでヘルシーに見えるし、事実美味いのだから、あれこれと評判の店が出てくるのも不思議はない。

今回の出張で口コミで教えてもらったのがこの「いちにぃさん」。チェーン店で西宮や東京にも出店があるらしいが、行っている店は前回のブログで書いた甲突五橋の一つがあった武之橋そばにある。住宅街のど真ん中にあるので、観光客風は皆無だけど、実に繁盛している。

豚しゃぶをそば出汁で食べさせるというのがこの店の趣向。そばの出汁といっても、白醬油で味付けした塩ラーメンのつゆのような感じだ。

コースで頼むのが面倒がないようだが、鍋の麵に加えて、雑炊までついているので、炭水化物過剰。単品で頼んだ方がいい。

ただ。鹿児島は旨口醬油文化圏。少々甘いのがつらい。でも肉は抜群にうまいのは事実。鹿児島ならぜひ、この店をお勧めしたい。
posted by 曲月斎 at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月19日

鹿児島である。/甲突五橋

nishidabashi2.jpg今回の鹿児島出張で、ぜひこの目で見てみたいものがありました。

「甲突五橋」と呼ばれた石橋です。

鹿児島城下を流れる甲突川は決して大河ではないのですが、大雨が降れば鉄砲水のような濁流になるといいます。そんな川に江戸時代末に肥後の石工によって架けられたのが甲突五橋と呼ばれた石橋です。

アーチの間が4、5個あって、堂々たるものだったといいます。ただ、1993年の豪雨で5つあった橋のうち、2橋が流失。残り3橋も治水の観点から撤去されることになり、今はJR鹿児島駅そばに設けられた「石橋記念公園」に移設されています。

nishidabashi.jpg桜島を間近に望む公園にある橋は人工の流れに2橋がかかり、残り1橋は小さな川に架かっています。橋にしてみたら、完全に余生ですな。

しかし、この橋の架け方の説明を見て驚きました。河原にすのこのような木組みを敷き詰め、積み上げる石の不等沈下を防ぎながらアーチを架けていくという工法。実に不思議な感じでしたな。今風ならシートパイルを打ち込むとか、基礎を固めようとするのに(だいたい、今の橋って1年度目の予算で下部工を、2年目の予算で上部工をという工事施工でしょ)、そういうことはせず、石の重みと川床の整備で流れの強さに対処しようというのですから。

なお、先の洪水で流された2橋は復元されていません。そもそもを言えば、車の往来を考えての「改良」ということで、橋の勾配を明治時代に削ったらしいのです。でも、元の通りに勾配を急にしておき、アーチの間を水が十分に流れる結構にしておいたら橋が流失することもなかったかも、と言われています。
tamaebashi.jpg

今様の智恵と昔の智恵の尺度の違いを感じるような気がしています。

昨日、仕事の帰り道に立ち寄ったのですが、確かにお値打ちでした。入場無料のこの公園、鹿児島に行ったらぜひ尋ねてみてください。お勧めです。
posted by 曲月斎 at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鹿児島である。/宿替え

数日の出張に出かけて、そのまま連泊できるのが一番面倒なことがなくていい。でも予約の都合でそうもいかないこともある。

今回は現場は九州自動車道の姶良から少し奥に入ったところ。でも周囲に宿なんてない。仕方なく鹿児島泊まり。自動車の便を考えて鹿児島中央駅近辺を探した。

天文館? 以前ならそうしたでしょうけど、今は繁華街に泊まる気にはなれません。それと、どうも路面電車が走っている道というのは自動車を運転するとなるとどうも怖い。
熊本もそうだったのですが、左折はいいのだけど、右折が意外に難しい。対向車、歩行者に電車も気にしなくては行けないから。その点で鹿児島中央駅西口なら、その憂いはないのであります。

九州新幹線全線開通を控え、ビジネスホテルが続々と建っています。駅の1階の片隅には自民党代議士だった小里利貞の胸像が。小泉純一郎の撰文で「我田引鉄をしました」と書いてあります。

鹿児島最初の2日間は駅の真向かいのホテルアービック鹿児島。資本は九電工です。ホテルのエレベーターが遅いことを除けば、1フロアの部屋数も多すぎず、ちょうどいいホテルでした。

で、今日からはその真向かい、ホテルJR九州鹿児島。
北館が新装オープンしたばかりで、部屋は真新しくきれいなのですが、何かイメージが往年のワシントンホテルを連想します。

というのは長い廊下に向かい合って部屋が続く光景がそうさせるのか。窓から景色がスキッと見渡せないのも何となくイヤ。それに1階に車寄せがないので、荷物の積み下ろしが不便。

JRを利用する人にはすごく便利だとは思うのですが。

同じ値段なら向かいのホテルの方が良かったかな。

ホテルの選択ってのは毎度、難しいもんです。じゃらん、旅の窓口(今は楽天だっけ)とあれこれ検索しますが、結局、慣れたところの方がいい、ってことになるんでしょうか。感覚がだんだん、保守的になっていくのかもしれません。
posted by 曲月斎 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

鹿児島である/蒲生のクスノキ

kusu.jpgきょうから鹿児島、である。もちろん、お仕事である。

空港から現場に直行して、この日の仕事を終え、地図を広げると、近所に「蒲生のクスノキ」というのがある。

環境省の調査では日本で最大の巨木らしい。

ということで、帰り道に立ち寄った。

蒲生という町は、知覧などと同様に、薩摩藩の出城の一つのようなものなのだろう。石積みの塀に囲まれた元武家屋敷風の門が並ぶ。庭まで残っていれば、知覧と同様の観光地になったのだろうが、どうも門しか残っていないらしい。

そんなことはさておき、問題のクスノキである。駐在所で場所を尋ねて歩いていくと、町の鎮守の森らしい、蒲生八幡宮の境内に至る。入り口にもクスノキの大木があるが、くだんの木は一番上の広場に立っていた。

1989年に環境省が行った調査では目通り24.99メートル、樹齢約1500年という。日本一の巨木らしい。

巨木といっても周囲を圧するような高さでもなく、確かに堂々とした幹まわりは風格がある。何でも写真にある木の根方の扉を開けると中に8畳ほどのうろがあるらしい。

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こういう酔狂なことをしていたのだけど、ちょうど居合わせたのが仕事先で切れ者と評判のSさん。「いやぁ、実は巨木マニアでして」という。人は見かけによらぬものだ。「いや、実は今、クリスタルのお守りを買おうかどうか迷っていたところで。今週は毎日通ってくるつもりですよ」とSさん。

社務所を訪ねると、このクスノキの打ち枝から作ったお守りというのも売っていた。折しも叔母が入院したばかり。元気になるよう、この大木にあやかって欲しいものと買った。

ちょうど若葉が芽吹いている時期。照葉樹ならではの深い緑とは違う黄金にも似た色がまぶしかった。

この町ももうすぐ合併だそうだ。「新生・姶良市誕生まであと6日」などという看板が目に付く。「韓国人漬キムチ」なんていう看板もかたわらにあった。

もう桜は3〜5分咲きくらい。やはり南国、である。
posted by 曲月斎 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 津々浦々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする