2008年09月23日

「戦後性風俗大系」

「戦後性風俗大系―わが女神たち」


元は週刊現代に連載されたものをまとめ、朝日出版社から刊行されたものが文庫化されたようである。
戦後の特殊慰安婦設備協会と称する進駐軍相手の慰安所の女性から始まって、ホテトルまで、春をひさいできた女性らの群像ルポである。風俗記者をやったり、写真屋をしたり、ストリップの小屋で働いたり。世間とは違う「ウチ」の人間としての視点と、記者としてのソトの視点と。そして女性を1人の人間として見る視点と。

そんな視点の物腰の低さがこの手の本にありがちな見下ろすような視点とは違うものを感じさせる。苦界といわれた時代はさて、今ではそんな意識はあるまい。そこまで時代は変わっても身を売る女性の何気ない言葉や仕草から本気の部分を描き出す腕前はさすが。記事に添えられている写真も世相をよく映していて、本牧のミツコの項など、確かにそんな風景があったよなあと思い出させてくれた部分大、であった。

文中でも、阿部定や、一条さゆり、浅草駒太夫、ミスサイゴンのモデルとなったマリなどなど、各女性のルポに先立つ「戦後性風俗史年表」と共に、時代や背景を理解させてくれる1冊である。


posted by 曲月斎 at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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