2008年08月31日

八月尽

8月も終わりである。

誕生日のある月はどうも精神的によろしくない。だれが祝ってくれる訳でもないし、祝って欲しい訳でもない。馬齢を重ねるというのはまさにこのことである。

寝床の回りに折り重なっている本を片付ける。高島俊男の
「お言葉ですが…」

「お言葉ですが…〈2〉「週刊文春」の怪」

「お言葉ですが…〈3〉明治タレント教授」

「お言葉ですが…〈4〉広辞苑の神話」

「お言葉ですが…〈5〉キライなことば勢揃い」

「お言葉ですが…〈6〉イチレツランパン破裂して」

「漢字語源の筋ちがい―お言葉ですが…〈7〉」

「同期の桜―お言葉ですが…8」

「芭蕉のガールフレンド―お言葉ですが…9」

やら、
「へうげもの 7服」


やら。

新書が多くて
「吐口葛喇列島」


「藤原氏千年」


「将棋駒の世界」


「流行り唄五十年 唖蝉坊は歌う」


「世界の奇妙な国境線」


「非属の才能」


「天然老人」


などなど積読になっていたのである。自分でもこの脈絡のなさにはあきれる。
とこう話すうちに九月である。さて、夏休みをとろうか。
posted by 曲月斎 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

伊久美の鮎

画像はないので話だけ。

最近、よくお世話になっているのがS市のヤブヤというどじょうやさんであります。ここは街道筋の旅籠だったそうで、若旦那が15代目のよし。で旦那と話になったのでありますが。

「伊久美の鮎は美味いよ。大井川の本流、笹間、もっと上の方とこの川はあちこちで鮎は釣れるけど、伊久美の鮎に限るね」と大将の弁。

こうなると、魚屋に「伊久美産アユ」なんて売っているわけではないので、知人係累あれこれ考えた末に、鮎釣り大好きの大先輩を見つけ出し、「頼むから伊久美の鮎が食べたい。ぜひ釣ってきたら分けて欲しい」と正宗を先渡し。

とこうするうち、「釣れましたよ」との知らせ。ただ取りに行けないので、冷凍にしておいてもらった。

で、念願のこの鮎入手して、ヤブヤに持ち込んで焼いてもらいました。10匹。約20センチほどの大きさ、太り加減も上々。「友釣りで釣ってきた」とのこと。

炭火で焼いてもらって、例の方法で中骨をスルッと抜く。実に美味い。身の部分の味わいが深い。香りもいい。身は甘いというか、こくがあるというか。もちろん、ワタのうまさもいうまでもないこと。

行き会った方にお裾分けして満足満足。蓼酢を用意すればもっと良かったかな。でも炭火での焼き加減も上々だし、本当に美味かった。本当のところ、鮎ってこんな美味いものだとは知らなかった。

地元の方々だけ知っている美味いもの、ってあるものだと感心した次第。

伊久美の鮎、機会があればご賞味あれ。
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posted by 曲月斎 at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 美食飽食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月24日

土手の伊勢屋/台東区日本堤

tendon.jpg土手の伊勢屋に行った。天丼で名代の店である。

場所は吉原の大門の向かい。土手通りを挟んでほど近い。

三ノ輪から歩くとちょっとあるけど、高カロリーの食事をする前と思えば、心地よい運動である。

昼時とて、店はなかなかの繁盛ぶり。軒先にいすを並べて順番待ちである。待つことしばし、店に導かれて、注文。

この店は天丼はイロハになっており、ハが一番上。ためらうこともなしに、天丼のハとお新香と板わさ、なめこ椀にお銚子を頼む。すぐに出てくるお新香を肴に一杯。続いて出てくる板わさをつつきながら一杯。天麩羅屋だから新香がうまいのは当たり前だが、蒲鉾も行き届いていて、期待がふくらむ。この辺りで徳利を1本空けて、2本目に。

頃合いを見計らったように、天丼が出てくる。板わさの後の肴に天丼の種をつつく。アナゴ、シシトウ、レンコン、谷中ショウガ、いずれも具合がよい。丼たれの加減が甘からずしょっぱからず、酒の肴にもなる。

2本で切り上げてどんぶりに取りかかる。残るはエビ3本、芝エビのかき揚げ。飯を掻き込むにはちょうどいい。

いい気分の昼酒になった。

この店は店員のあしらいがいいのが何よりだ。杯のすすみ加減を見ながら、さっと本尊の天丼を出してくる辺り、行き届いている。お節介でもなし、素っ気ないでもなし。いかにも江戸前の客あしらいである。気持ちがいいもんだ。

近くに行かれる節があれば是非におすすめしたい。天丼を目当てにいくだけの値打ちはある。
posted by 曲月斎 at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 鯨飲馬食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月19日

電気バケツ

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全自動洗濯機を導入した話は先に書いた通りなのですが。
ついでに「電気バケツ」というものを買いました。

要はバケツの底に羽根がついていて、グルグルっと水をかき回して洗濯をするという、ごく原始的な洗濯機であります。

プールの水着を洗ったり、漂白したいポロシャツを洗ったり。結局、こういう小分けにする機械がどうしても必要になってくるわけです。

最近は、洗濯ものはたまらなくなったのですが、たたまないので仕上がったものが溜まり始めるという珍現象が洗濯機置き場では起きています。

posted by 曲月斎 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

阪神甲子園球場

ちょっと所用があって阪神甲子園球場に来ています。

この球場は1924年に建築された古い球場でありまして、今、何度目かの改修工事中であります。

旧来の球場は1階部分がグラウンドに通じる通路があり、所役の事務所があり、2階にホームチームのロッカーがある、という構造でした。

必然的に、選手は一般の観客と1階部分では交わらざるを得ない状況になるわけで、その部分でこの球場の猥雑さが一種の魅力であったのですが……。

改修後は1階は関係者のフロア、2階が一般観客のフロアと整然と隔絶されまして、近代化したのであります。

ですが。

甲子園球場のあの、大阪のアーケードの付いた商店街のような喧噪というか、清濁合わせ飲むという雰囲気というか、大阪ならではのあの雰囲気は失われてしまったのではないか、と思うのであります。

近代化というのはこういうことをいうのであるとすれば、ちょっと見当違いなのではないか、と思うばかり。

posted by 曲月斎 at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月13日

西瓜。

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このところ、西瓜にはまっている。

西瓜なんてと思っていたのだけど。
夜、酔っぱらって帰ってから、しゃきしゃきとスプーンですくって食べるうまさ。やはり夏のアジであります。

西瓜がうまいと思うのは、先途、ある医者に腎臓を気遣った方がいいと言われた所為もあるんでしょうけどね。

でも西瓜は夏の味。

ついついスーパーで買ってくると、しゃきしゃきとスプーンを突き立ててしまうのであります。
posted by 曲月斎 at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑事雑用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ナンセンス・ボックス」

「ナンセンス・ボックス」

いしいひさいちの作品はいろいろな出版元で発刊されてきたので、バラバラになって何がなんだか分からないものが多いのではあるけれど。

「あ、この作品読んだよ」と思っても許せてしまうのは、病膏肓に入るという世界なのでありましょう。

で、この1冊。4齣漫画どころか、3齣、2齣漫画にまで挑戦しているという意欲作です。もちろん、デビュー直後の作品をピックアップしたみたいですけど。

面白いもんは面白いので、あります。

若手の後輩がこの漫画をみて「シュールですね」といいましたけど、そんな簡単な表現でええんかな、と思います。買って損はありません。いしいひさいちワールドにアレルギーがないのなら。
posted by 曲月斎 at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月05日

25000キロ

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車に乗り始めて1年と3カ月余。早くも走行距離は25000キロに到達しました。

最近、この車を薦めてくれた知人の配慮に深く感謝するものであります。乗っていて運転しやすい、どんな所に突っ込んでも何とかなるという取り回しのよさ、そして高速でもそこそこに走る馬力。何より坂道が得意というのが気持ちいいものです。

この車を薦めてくれた知人は「安いオイルでいいから3000キロに1度、オイル交換して下さい。いいエンジンに仕上がりますから」との助言をくれたのだが、その言葉通りのオイル交換は続けている。

元番頭さんは「一日の大半を過ごす場所になりますから」と言われたがまさにそう。最近はコンチネンタルタンゴを掛けながら走っていることが多いかな。あとゴミがたまりやすいので、それはどうにかしませんとな。
posted by 曲月斎 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「日本のいちばん長い日」

日本のいちばん長い日

8月。15年戦争の終結した日が来る。
そんな時にやはり、見直しておきたいと思う1本だ。

不肖宮島が指摘しているとおり、ともかく暑苦しい。出てくる役者はそれこそ汗まみれ。軍服も汗でにじみ、額にも汗が浮かび、クーラーも扇風機もない時代の夏の一夜の物語である。

話は大宅壮一名義で半藤一利が書いた同名のノンフィクション作品が下敷きである。
「決定版 日本のいちばん長い日」


連合国側が提示したポツダム宣言を受諾し、無条件降伏に持ち込むまでの政府当局、外務省、陸軍省を軸に描く。陸軍の若手将校が事態の転覆を狙って8月14日深夜、皇居を占拠し「玉音盤」奪取を画策するのがその山場。彼らの振り回す論理はそのまま、当時の日本が突き進んでしまった道程の地図の相似形になっている。

ともかく暑苦しい。でもやはり見直しておかなくては、と思わせる何かがある1本。

原作者の半藤一利は8月に入ると終戦の詔勅の筆写を始めるという話を読んだ記憶があるけど、あの時の原点はやはり忘れてはいけないことだと改めて思う。

配役やあらすじなど委細は下のリンクで。
「日本のいちばん長い日(1967)」
posted by 曲月斎 at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「私の異常な愛情」

「私の異常な愛情―不肖・宮嶋流戦争映画の正しい観方」


カメラマンとして戦争の最前線を飛び回る筆者流の戦争映画論。
真の戦争映画の定義として@女子供が全く出てこない、もしくは1ケタA血がホラー映画以上に流れ、死体がてんこ盛りBBGMはマーチである……という3条件を満たした26作品が紹介されている。

映画の内容もさることながら、拳銃、ライフルなど火器の話、戦闘機や戦車の話など脱線を繰り広げる部分の方が面白いというけったいな本であります。

そして、俳優論も他の作品で何の役を演じていたかから始まって、その結びつきをあれこれ書き連ねるのも面白い。たとえば、「トラ・トラ・トラ」では山本五十六役の山村聰が「日本のいちばん長い日」では米内光政役で出ているとか、風車の弥七役の中谷一郎がこの作品では近衛師団長役の島田正吾をぶった切る青年将校役をやっているとか。演技がどうのとかいう以前に、こんな指摘はある部分、正鵠を射たものになっているのが面白い。

「読んでから観るか、観てから読むか」と前書きで大見えを切っているが、正直にいうと「日本の一番ながい日」はこの本を読んでから、もう一度、DVDを借りてきて観てしまった。

そんな示唆に富んだ1冊であることは間違いない。種々の事実誤認と独特の論理展開には少々辟易するけれど。
posted by 曲月斎 at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

買ってはみたものの……

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これは何だかご存じですか。
speedo社が発売した水の中でも音楽が楽しめるというaqua・beatというMP3プレーヤーであります。

こういう具合に使うらしい。
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で、それはいいんですけど、せっせとプールに通っている昨今。こんなのいいな、と思って買ったんですけどね。

いざ、データとして何を入れるかで迷ってしまって。
うちの元番頭なんぞ、私の音楽の好みをよくご存じで、マーチと軍歌とクラシックと沖縄民謡とビッグバンドジャズという支離滅裂な指向にあきれ果てること幾たびぞ。

という訳で、今はまだパソコンにつないだまま。何を入れたものかと思案投げ首なのであります。



posted by 曲月斎 at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月02日

「拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術」

「拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術」

N響のオーボエ主席奏者の書いた本であります。元番頭さんのご推薦。

どうでもいいんですけど、書き方がすでに漫才の台本状態。こういうのが好きな向きにはいいんですけど、小生には少しサービス過剰で疲れる。

でも書いてあることは面白いですよ。というよりも、今まで未開拓の分野をこの人は書いているんだな、と思う次第。クラシックというのはいままではいろんな人が鑑賞入門を書いたり、レコード評があったり、指揮者の随筆があったりしたのですけど、そういうジャンルからは超越して、普通のものとして(つまり衒学趣味を一切除去して)書いているのが新鮮で、たかが拍手について延々と書いているのもまた目から鱗なのであります。

今まで、この分野の書き手は客席側か、指揮台までだったのがその向こう側までにいったということ。でも、何かとお堅いN響でこういう本の書き手が出るというのは、老舗の余裕なんでしょう。

この本で面白いのは第3章の「拍手のルール」が一番。ご一読を。文庫になるのを待つのも一手ですけどね。
posted by 曲月斎 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする