2008年01月31日

礼服が……

身近で不祝儀があったので、礼服をひっぱりだしてみると、これがいけません。この半年余りの急激な肥大化に伴い、ズボンが入りません。上着のボタンが……。

仕方ないので、紋付き袴を引っ張り出すしかない。これを作った時に、少々太っても大丈夫だと思って誂えたんですけど、まさか現実の問題となるとは思っても居なかった。

着るのはともかく、脱ぐ場所を確保するためになじみの店に頭を下げて依頼。能の師匠が舞台にきていればそこで済ませようかと思ったのだけど。何に付け、太るとろくなことはありません。
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2008年01月27日

「不良定年」

嵐山光三郎流の高等遊民入門。不良なる定年となるために、自前のモラルとしてこんな百箇条を挙げているけど、これを実現できる人はなかなかいないはなあ。

「不良定年」 (ちくま文庫 あ 26-7)


 1 約束した事は、呆れて忘れる
 2 借金も、呆れて忘れる
 3 チャンスがあれば浮気する
 4 馴染みの飲み屋に行かない
 5 競輪ざんまい
 6 妻の貯金を降ろして使う
 7 落ちぶれた同僚にたかる
 8 信号は無視する
 9 いっさいの謙遜をしない
 10 巻物の手紙をよこす人へは返事を書かない
 11 宗教活動に関与しない
 12 占いを信じない
 13 狡猾であれ
 14 妄想に生きる
 15 名声を求めない
 16 権威と無縁になる
 17 不機嫌をよしとする
 18 義理の結婚式には行かない
 19 二律背反を是とする
 20 触覚で価値判断する
 21 遊牧民志向
 22 若い者はだます
 23 子はちょろまかす
 24 ヒューマリズムよりもニヒリズム
 25 淋しさを食って生きる
 26 腕組みしない
 27 反社会
 28 風とともに去る
 29 競争しない
 30 全力投球
 31 裏道で立ち小便する
 32 平気で泣く
 33 ぼんやりする
 34 とぼける
 35 眠る
 36 耐える
 37 ぐれる
 38 情報収集する
 39 昼からビールを飲む
 40 昼間から風呂に入る
 41 ナンセンスのセンス
 42 ハイカラ主義
 43 テーマを持たない
 44 軟弱にいく
 45 唯我独尊
 46 自由なる日々
 47 風狂でいく
 48 遊んで暮らす
 49 不器用でいけ
 50 友人を大切に
 51 霊界通信
 52 散歩する
 53 小銭を稼ぐ
 54 美的生活
 55 命を惜しむ
 56 何者にも忠誠しない
 57 ケチ
 58 後悔しない
 59 女の愚痴はきかない
 60 男の愚痴もきかない
 61 軽佻浮薄
 62 離欲
 63 感動力
 64 いたずら心
 65 老人ルネッサンス
 66 忍ぶ恋
 67 道楽
 68 ソフト帽を愛用
 69 ないものねだり
 70 すぐ寝込む
 71 電話には出ない
 72 聞こえぬフリをする
 73 気弱なことをいう
 74 朝顔市に行く
 75 酉の市へ行く
 76 足で物を片付ける
 77 ふぐは白子を
 78 月見献立
 79 浴衣で宴会
 80 桐の下駄で歩く
 81 飛行機はファーストクラス
 82 きっぷのいい女将がいる温泉のなじみ客となる
 83 勝手に講釈
 84 バラバラ
 85 お化粧してみる
 86 すべて現金でいく
 87 インターネットはやらない
 88 煙草はやめない
 89 猟書三昧
 90 銀ブラを楽しむ
 91 色街で飲む
 92 茶漬けにこる
 93 ケンカしてよし
 94 文具に淫する
 95 もちろん天動説
 96 遠くへ行かない
 97 知らない町は歩かない
 98 言い訳は全力で
 99 ゆっくりと急ぐ
 100 説明はしない

でもまあ、1冊読んでしまったのだから、憧れる部分はあるのかもしれない。自分には無理だけど、ね。
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適塾と船場吉兆

大阪で時間が取れたので、難波の自由軒に名物カレーを食べに行く。
ここは織田作之助が愛したという代物のカレーが看板にて、昼時ともなると店の前には行列ができる。

すっとうまく店に潜り込んで名物カレーを頼む。この店はテーブルが3列に並んでいるのだが、店の女給さんは「東・中・西」と区別して呼ぶ。小生が座ったところは東の1番。でここのレジをしている女主人が傑物。客の注文を細大漏らさず聞いているのである。女給が奥の調理場に注文を通し忘れても、この女主人が「あんた、中の7番さん、ビールの小瓶というてなかったか」てな具合に修正するのである。見事。

そのまま北にあがって北久宝寺町。物見高いが常にて、船場吉兆はどこかと訪ねれば、もうほとんど堺筋に出ようかという辺り、繊維問屋街の一角に聳えていた。表の大戸は閉まったまま。休みだったから本日はお休みだったのかもしれない。あの全国に顔を売った女将が見られないかと思って出かけたが。

でさらに北へ北へ。知人に「北浜の適塾は一見の価値がある」と言われていたのを思い出して、適塾跡へ。土佐堀通の1本南、三休橋筋を少し西に入ったところにある。実に構造が複雑な家で、塾生部屋や、あの蘭和辞書ズーフハルマのあったズーフ部屋などは天井が低く、たいしたものだと思う。で、知人にも言われていたのだが、大村益次郎が豆腐を食べていたという物干し台はどこかと中からさんざん探したが、結局分からず、外に回ってみると、あった。ちなみにこの建物は大阪大学のキャンパスの一部らしい。隣の大阪市立愛珠幼稚園が適塾の一部のように見えるが実は全く無関係である。
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大阪行

久しぶりに大阪である。

仕事の用事で出かける。最寄りのJRの駅では新幹線につながっていないので、K川駅まで在来線だ。新幹線の駅があるといっても「こだま」しか止まらない駅だ。2線式のプラットフォームの真ん中に追い越し用の線路が2本走っている。

待つのは仕方ないとしても、「ひかり」「のぞみ」が通過の時に立てる金属音は耐え難い。特に古い型の車両の方がひどいようで、あの音を聞かされると思うだけでも、フォームに立って列車を待っているのは苦痛である。

こだまからのぞみには名古屋で乗り継ぎ。乗り換え時間は10分。フォームの立ち食いきしめんに駆け込む。時間がないと思っているのに、食券の自動販売機の前で沈思黙考を始めてしまう御仁が多いのに驚く。もっと驚いたのが「チャーシューきしめん」なるもの。きしめんの上に文字通りチャーシューと白髪ネギがのっかっている。思わず注文してしまった。汁をすすっていても、ノーマルと一緒のはずだが、なぜか中華そばっぽく思えてしまうのが不思議だ。

新幹線の指定席。一人なのになぜかA列が続く。普段はだいたいE列が多いのに。夜に入っての時間帯だが、ご婦人の一人旅が目につく。C列にご婦人がいるとまたぐのが申し訳ないような気分になる。

今朝、親しくしていただいていたある博物館の学藝員の方が亡くなったとの知らせを受けた。昨夏から体調を崩していたので気にはなっていた。この前職場に行った時に「もうすぐ復帰すると聞いています」というので安心していたのだが。
享年48歳。まだ若過ぎるとしかいえない。愛娘は中学に上がったばかりだったはず。こういう時の知らせを誰に回すか、考えてしまう。電話を受けた方はそれなりに応対しなくてはいけなくなるし、親疎の別は本人にしかわからない。でも不祝儀だからと思い、心に浮かぶところには連絡をした。自分の時は……こればかりは考えても仕方ない。この前、医科大に出かけたおりに、「献体」というシステムがあったのを思い出した。

posted by 曲月斎 at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「連歌とは何か」



連歌というのは不思議な文藝です。

日本文学の歴史の中でも、特に中世から江戸期(ま、この時代には連句になっているのですが)には流行したもので、筑波の道とも言われたそうでありますが、自分の中でピンとこない。というのは少なくとも、一人では出来ず、相手(少なくとも3人くらい居た方がいいらしい)が必要で、そのメンバーも一定のバックボーンがないと、楽しいとは思えない代物だからであります。

と言っても、そんなに複雑怪奇ではなく、一人が五七五と上句を詠めば、次の御仁が七七と受け、この七七に沿うように3人目が五七五と詠む訳であります。連句は三十六句で「歌仙」となりますが、連歌は100韻とか200韻とかになるらしい。戦国時代には連歌師という存在が貴重で、あるお城では包囲された時に攻め手が上句を矢文で城内に打ち込んだ時、下句を上手に返したので包囲を解いて帰陣したとか、長篠の合戦の前に武田家中で興行した連歌が不吉だったので合戦に敗れたとか。徳川家では、家康が生まれる前に結構めでたい連歌が興行できたので、幼名がそれにちなんで竹千代になったり、幕府が開かれた後も正月には必ず連歌を城中で興行したとか。文学というよりも、民間信仰みたいになっている訳です。

そういう不可解な代物をその淵源から、歴史の表舞台を去るまで追いかけた通史であります。この手の本は確か中公新書に「連句入門」というのがありましたけど、それよりも柔らかいので読みやすい。もう一度、文学史の舞台から退場したこの文藝を見直すいいきっかけになる本であります。
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2008年01月05日

オーブントースター。

pic_02.jpgどうしてもトーストが食べたくなって、オーブントースターを買った。近所の量販店に行くと、何種類もあったのだけど、一番安いのは1980円。これでも十分使えそうだったのだけど、一応そこそこのを買う。

帰宅途中、1斤4枚の厚切りを買ってきて待望のトースト。結構うまい。料理というほどの代物ではないのだけど。
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2008年01月02日

「食い放題」

「食い放題」

フグの肝に当たって急逝した8代目坂東三津五郎の随筆。
食うという作業に、精力を傾注し続けたさまがよく分かる。
文章の歯切れがいい。江戸前というか、京都で暮らした時期も長かったのだけど、それにしてもテンポがいい。
もちろん、私になんぞ縁なき贅沢な食べ物の話もある。でも、それ以上に何げない日々の食べ物にかける筆者の情熱が楽しい。

歯切れのいい文章というと、料理研究家の辰巳浜子の文章にも響くものがある。「××してごらんなさい」という口調にはこのごろ聞かなくなった品性がある。
読んで楽しい1冊です。
posted by 曲月斎 at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 汗牛充棟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

年男。

横浜にいる。

30日に帰省して、馴染みの焼き鳥屋に電話したら、前日までで年内の営業は終えたとのこと。ノコノコと出掛けるあてもなくなって、そのまま寝る。
明けて31日。
川崎大師に出掛ける。ちょうど午後3時半からの勤行だ。何でも年内最後の「おつとめ」だそうで、内陣に並ぶ坊さんも山盛り。普段なら般若心経を読んで終わりなのに、この時はきちんとおつとめでござった。参道の屋台ではたらいている人に外国人の方が目立つ。この日の夜半からが書き入れ時。まだ開店準備中であります。
そのまま関内の利久庵へ。店内は大にぎわいで、空席まちの善男善女がぞろぞろ。そんな中で知人を呼び出して、酒を飲み始める。お銚子をだいぶ空にして店を出て、491でまた1杯。一度帰宅して、紅白歌合戦なぞを見ながら、また酒。今年は何か舞台の上でCGが目立ったような気がして物量作戦がお得意のNHKも方針転換したのかな、と思う。
途中で近所の銭湯へ。いい加減よっているのだけど、すこぶる気分がいい。ただ湯が熱いのには少々閉口。板場にまだ脱衣籠が残っていたのには驚いた。
今年は年越しの汽笛の音が少なかったような気がした。

新年、また知人と山下町へ。491から中華街の青海星とはしごして、最後は元町のenへ。すでにいい加減飲んでいるので、軽く1杯で切り上げる。明け方に近いというのに、まだ爆竹の音が響いていた。

今年は転居通知を出していないので、年賀状をきちんと書かなければいけないのだけど、まだ手つかず。現住所に転送されているので、手元には数枚しか届いていない。無精だから仕方ないのだけどね。

という訳で、のそのそと年が明けて、×度目の年男。何か急に年老いた気分になるようで、嫌なものだ。
posted by 曲月斎 at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月01日

「お早よう」

D112268429.jpg「お早よう」

年末年始、如何お過ごしでしょうか。
もし、時間つぶしにレンタルDVDをなどと考える方がおられたら、お勧めはこの1作。

小津映画の1本ですけど、白黒テレビが家庭に入り込むまでの中での人のかかわりを描いた作品です。

何でもないし、スペクタルも起きるわけではないけど、それが滋味深い。お暇なら、ぜひ見て欲しい1本です。
posted by 曲月斎 at 23:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 銀幕緞帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする